この恋は運命

大波小波

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 シャワーを浴びて、ミネラルウォーターを飲んで。

 体を冷まして、パジャマを着て。

 そして二人は、寝室へ進んだ。

 ベッドの上で、優しい目をして、響也は麻衣の前髪をかき上げた。

「こんなに君が魔物なのは、何かわけが?」

 麻衣の瞳は、まだ物欲しげに響也を映しているのだ。

 嬉しいことだが、医師・哲郎に報告しなければならないような異常なら、大変だ。

 しかし麻衣は、ただ響也にすがって訴えた。

「僕、どうしても。ただ、響也さんのことを無心に愛してみたくて。それで」

 聞くと、夕食後の薬を飲んでいない、という。

「夕食後の薬というと、まさか」

「発情抑制剤、です」

 麻衣は今、発情期を迎えているので、少し強めの薬で抑えている。

 発情に任せて、やみくもに性交しても、子どもは授からない。

 これが哲郎の持論だが、それを破るような真似を、麻衣がするとは。

「哲郎は、知っているのか?」

「いいえ。僕が勝手に、お薬を飲まなかったんです」

 ただ、あなたを愛したかったから。

 その言葉の意味を、麻衣は語り始めた。

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