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しおりを挟む『赤ちゃんができなければ一年でお別れ、どころか。このまま添い遂げていただきたいと考えています』
凛子の言葉を思い出しながら、麻衣はミドリをブラッシングしていた。
「嬉しいな。僕、本家の御両親に、認めていただけたんだよ。ミドリ」
「ニャァ」
もちろん、子どもができるに越したことはない。
だが、義母にこのように言ってもらえたことは、麻衣の心にゆとりを与えた。
焦る気持ちが、軽くなった。
「麻衣、バスルームが空いたよ」
湯上りの響也が、リビングへ戻って来た。
ほかほかで、にこにこしている。
「響也さん」
その温かい体を、麻衣はゆっくりと抱きしめた。
『お電話のことは、響也には秘密。いいですね?』
凛子がそう言ったので、彼に今の気持ちを打ち明けることはできない。
だから、体で訴えた。
響也さん、大好きです。
この想いを、伝えた。
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