この恋は運命

大波小波

文字の大きさ
上 下
3 / 228

しおりを挟む

「お父様、今日はどちらへ?」

「ん? うん。パーティーだ。麻衣も、楽しむといい」

「どういった趣向ですか? 主催は、どなたですか?」

「お前は、そんなことを気にしなくていいんだよ」

 ただ、笑顔を忘れずに。

 色んな方々と、交流を持ちなさい。

 そんな感じで、ごまかす風の父だ。

(変な、お父様)

 釈然としないまま麻衣は、街中心にそびえ立つパーティー会場に着いた。

「ホテル・アスカ。ということは……」

 主催は、飛鳥家のどなたかだな、と麻衣は察した。

 この国で、屈指の資産を誇る、飛鳥グループ。

 経営のトップは皆、飛鳥の血縁者だ。

 その結束力で、古くから先頭を切って、経済界をリードして来た。


 勢いの強い飛鳥家のパーティーに、落ち目の早乙女家が出席するとは、一体。

(しかも、お父様の連れが、僕……?)

 考えても、解らないことだらけだ。

 ただ麻衣は、コートをホテルスタッフに預けて、大広間に進むしかなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

恋人が出て行った

すずかけあおい
BL
同棲している恋人が書き置きを残して出て行った?話です。 ハッピーエンドです。 〔攻め〕素史(もとし)25歳 〔受け〕千温(ちはる)24歳

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

世界は残り、三秒半

須藤慎弥
BL
過去半年間だけ同じ時を過ごした二人は、運命の番。 スパダリ風α × 綺麗系お馬鹿一途Ω ずっと昔から、静かにその時計の針は動いていた。 いつの頃からかヒトの種類が六種に増えた。 カーストが顕著になった。 支配する側とされる側、そのどちらでもない者とで身分の差が生まれた。 引き金は、ヒトの欲。 終末時計の針が真上を指した時、世界は終わる。 ※本作は実在する「終末時計」をモチーフにしておりますが、多大に脚色しております。 ストーリーやキャラ等は完全フィクションですので、サラサラッとお読みいただければ幸いです。 ※BLove様による短編小説コンテスト出品作です テーマ『世紀末オメガバース』

君はアルファじゃなくて《高校生、バスケ部の二人》

市川パナ
BL
高校の入学式。いつも要領のいいα性のナオキは、整った容姿の男子生徒に意識を奪われた。恐らく彼もα性なのだろう。 男子も女子も熱い眼差しを彼に注いだり、自分たちにファンクラブができたりするけれど、彼の一番になりたい。 (旧タイトル『アルファのはずの彼は、オメガみたいな匂いがする』です。)全4話です。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

Endless Summer Night ~終わらない夏~

樹木緑
BL
ボーイズラブ・オメガバース "愛し合ったあの日々は、終わりのない夏の夜の様だった” 長谷川陽向は “お見合い大学” と呼ばれる大学費用を稼ぐために、 ひと夏の契約でリゾートにやってきた。 最初は反りが合わず、すれ違いが多かったはずなのに、 気が付けば同じように東京から来ていた同じ年の矢野光に恋をしていた。 そして彼は自分の事を “ポンコツのα” と呼んだ。 ***前作品とは完全に切り離したお話ですが、 世界が被っていますので、所々に前作品の登場人物の名前が出てきます。***

処理中です...