胸に咲くは純白の花

大波小波

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『飛沢さんが、銃で撃たれました』
「えっ」
『暴力団の組員に撃たれ、昏睡状態です』
「……!」

 へなへなと、聖はその場にうずくまってしまった。
 大島は、その姿をまるで見ているかのように励ましてきた。

『手術は成功しています。ただ出血が多く……もしもし? 大丈夫ですか?』
「は、はい。あの、病院はどこでしょうか?」
『しっかりしてください。あなたが頼りです。彼の傍で、こちらに戻ってくるように話しかけてやってください』

 通話を終え、聖の目からどっと涙があふれてきた。
 嗚咽が漏れそうになる。
 だが彼はそれをぐっとこらえ、てきぱきと仕度を始めた。
 そして5分後には、タクシーに乗り込んでいた。

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