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しおりを挟むしばらく時間を置いた後、駿佑も会計を済ませて外へ出た。
「……らしくない。少し興奮している」
我知らず、左胸を押さえていた。
そこには、白い牡丹の花が咲いている。
駿佑は、無性に聖に会いたくなった。
早足で駐車場へ行き、愛車に乗った。
心臓が、とくとくと速く鳴っている。
警部との会食の名残と、聖に会う期待とで高鳴っていた。
「聖、驚くだろうな」
今夜は会えない、と言ってあるのだ。
突然訪問して、驚かせてやろうといういたずら心が、湧いていた。
そして。
(警部に伝えたことを、どこまで言えばいいやら)
丸ごと全部話すのは、NGだ。
これは、絶対に漏らしてはいけない、極秘情報。
だが、匂わせておかないと、聖を心配させてしまう。
少しばかり悩みながら、駿佑は聖のマンションへ到着した。
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