胸に咲くは純白の花

大波小波

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1話 左胸の白い花

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「聖、明日からしばらく帰らない」
 熱いひとときを終え、ピロートークで駿佑はだしぬけにそう言った。
「掃除、ですか」
「そうだ」
 胸にかかえていた駿佑の腕を、聖は強く抱きしめた。
「しばらく、って。どれくらいですか?」
「そうだな、二週間くらいか」
 聖はめまいがした。
 駿佑が現在取り組んでいる掃除の話を聞いてから、確かに彼は帰らない夜が多くなっていた。
 しかし、今度は二週間とは!
「僕、寂しくって死んじゃうかもしれません」
「それは困るな」
「だから、もう一度抱いてください」
「おいおい」
 聖と駿佑のセックスは、より濃厚になっていた。
 聖が、そう望む。
 無理もない、と駿佑はねだられるまま聖を抱く。
 掃除人稼業を辞めてくれ、と彼が言い出さないことに感謝しながら。

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