胸に咲くは純白の花

大波小波

文字の大きさ
上 下
67 / 119

3

しおりを挟む

 発情抑制剤と一緒に、ピルも処方してもらった、と話す聖に、駿佑は口をあんぐりと開けた。
 車を運転中だったので、ナビシートに座っている聖の顔を思わず見たのは、一瞬だけだったが。
「聖、君はその。そんなに、私との。ええっと……アレを……」
「僕、駿佑さんとのセックス、好きです。すごく幸福な気持ちになれるんです」
「そ、そうか」
「だから、駿佑さんにも気持ち悦くなって欲しくて。生で中出しした方が、スッキリするでしょう?」
 駿佑はステアリングを握りしめ、むせた。
「ひ、聖。君には、生とか、中出しとか、言って欲しくないよ。私は」
「えっ? クラスの友達、よくそんな話しますけど」
「最近の子は、進んでるなぁ……」
 医師と同じことをつぶやいた後、駿佑は真顔に戻った。

しおりを挟む

処理中です...