胸に咲くは純白の花

大波小波

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 濃厚な、だがちょっぴり恥ずかしい前戯の後、聖はその体内に逞しい駿佑を受け入れていた。
「あ、は、はぁ、あぁ。ヤだ、んんッ、イヤッ……」
 駿佑に突き上げられながら、聖はうわ言のように、嫌と漏らす。
「嫌なのか? もう、やめようか」
「悦いけど、イヤですっ。ど、うして……ッ」
 どうして、スキン着けてるんですか。
 そんな聖の可愛い不満に、駿佑はやはり照れながら言い訳をした。
「発情期を迎えたオメガは、妊娠できるようになるんだ」
 聖は、妊娠したくないだろう?
 そう言えば、全てのオメガは大人しくなるはずだった。
 だがしかし。
「あ、はぁッ! 僕、僕っ、駿佑さんの、赤ちゃんなら、産みたいですッ!」
「……!」
 がくん、と駿佑は腰を落とし、すぐに射精してしまった。
「あ、あぁあん!」
(ゴム越しに、駿佑さんの精子、叩きつけられてくる……ッ!)
 ほぼ同時に、聖もまた、精を吐いていた。
「あぁっ、はぁ! はッ、はぁあ……あぁ……」
「聖。速かったですね、とか言ってくれるなよ」
 全く、私としたことが。

『あ、はぁッ! 僕、僕っ、駿佑さんの、赤ちゃんなら、産みたいですッ!』

 この一言で、脳天に快感が突き抜けた。
 聖のやつ、とんだアルファ殺しだ。
 果ててぐったりとした聖の髪を、駿佑は何度も撫でた。

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