胸に咲くは純白の花

大波小波

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 一つ食べたきりで、すぐに蓋をしようとする駿佑に、聖は再び不安になった。
「あの。美味しかったなら、もっと食べたらどうですか?」
 それとも。
「ホントは、美味しくなかった、とか……」
「いや、そういう訳じゃない。もったいなくて、食べられないんだ」
 なぜか汗をかきながら、駿佑はそう言った。
 何だ、この感情は。
 昨日も、同じような気分になったぞ。
 耳を赤くして、少しうつむく駿佑を見て、聖は悟った。
「駿佑さん、もしかして照れてます?」
「いや、その。うん、まあ。多分、そうなんだろうな」
 その言葉に、聖も照れた。
 まさか、この大人の男性が、僕のチョコで照れるだなんて!
「聖、照れ隠しをしてもいいか?」
「照れ隠し?」
 照れ隠しというものは、わざわざ相手に伝えてからするようなものだっけ?
 駿佑は、箱からトリュフをもう一つ摘まんだ。
 口に含んで、聖の肩に手を置いて。
「駿佑さ……」
 深く繋がる、キスをした。

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