胸に咲くは純白の花

大波小波

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1話 本当の初めて

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 駿佑がバスから上がって寝室へ行くと、すでに明かりはダウンライトに落とされていた。
 そっと毛布を剥ぐと、その下からは滑らかな聖の素肌が現れた。
「駿佑さん、抱いてください」
「いや、聖くん。それは……」
「僕は子どもじゃありません」
 匂い立つオメガの色香に、駿佑はくらりと来た。
 やっとのことで、言葉を押し出す。
「聖くん、私は掃除で汚れてなんかいない」
 今回は、私のためにやったことでもあるんだ。
 そう、駿佑は弁明した。
「だから、聖くんが責任を感じることなんかない」
「『私のため』って、どういうことですか?」
 それは、と駿佑は言葉に詰まった。

『私の胸に咲いた白い花を、汚した』

 こんなことを考えてしまった自分を、どうやって説明すればいい?
 それに、頭に血が上ったとはいえ、なぜこんな風に考えた?
(まさか、私は聖くんを……)
 駿佑は、改めてベッドに横たわる少年を見た。

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