胸に咲くは純白の花

大波小波

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1話 凌辱

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『大事なおはなしがあるので、放課後に体育倉庫前へ来てください』

 そんな短い手紙を、聖はある朝受け取った。
 下足棟の靴箱に入れられたそれは、古風なラブレターの雰囲気を醸している。
 白の便箋に書かれた文字はていねいで美しく、悪意のかけらも感じられなかった。
「何だろう。もしかして、告白?」
 それには首をかしげる、聖だ。
 成績もスポーツも、下ではないが抜きんでたところもない。
「そんな僕に、告白なんてないよね」
 ただ最近の自分は駿佑のおかげで血色がよく、表情も明るくなった。
 それに気づいた誰かが、目を付けたのかもしれない。
 そんな風に、考えた。
「僕は駿佑さんのことが好きだから、お断りしなきゃならないな」
 でも、相手を傷つけたくはない。
 どうやってお断りしようか、などと考えているうちに、あっという間に放課後になってしまった。

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