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しおりを挟む「おい、見ろよ。3組のオメガ」
「白井、だっけ?」
「最近、色気が出てきたと思わねえ?」
「同感同感。何かこう、艶っぽい」
廊下の窓から聖を見る、3人の男子生徒たち。
この学校ではオメガが珍しいため、時々こうして見て回っているベータのグループだ。
「そろそろ、いいんじゃねえの?」
「ヤッちゃう?」
「しばらくご無沙汰してるもんな。俺、かなり溜まってるよ」
彼らは『オメガ狩り』と称して、オメガ性の少年を狙っては襲う、ならず者たちだった。
被害に遇った者は、恐怖から誰にも打ち明けられずにいる。
もし、学校に訴え出たとしても、『フェロモンでオメガの方から誘った』として、かたずけられてしまうのだ。
諦めから、口をつぐんでしまう、悲しい被害者もいた。
「駿佑さんに、何かお礼がしたいな。何がいいかな」
そんな無邪気なことを考える聖を、凶悪の視線がからめとっていた。
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