胸に咲くは純白の花

大波小波

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 夜は駿佑が腕を振るって、御馳走をこしらえてくれた。
 ミックスパスタのオーブン焼き、サワークリームのサーモン巻き、トマトとズッキーニのピザ、タラモサラダ。
 デザートに、ブルーベリーパイまで飛び出した。
「すごい。何かの記念日みたいですね!」
「私と聖くんが同居を始めた記念日、ということでどうだ?」
「あ……」
 白い頬を、少し染める聖が可愛い。
(昨日は、素敵な殺し文句をお見舞いされたからな。お返しだ)
 にっこり微笑んだ駿佑は、食事を終えた聖に薬の小箱を渡した。
「それから、これ。ぼちぼち飲んでいた方がいい」
「発情抑制剤。でも僕、発情期はまだ来てません」
「アルファの私と一緒に暮らすんだ。誘発されて、始まるかもしれない」
「はい」
(でも僕、飛沢さんとなら……)
 過去すでに、セックスは体験済みの聖だ。
 駿佑との間に何かあっても、構わないとさえ思っていた。
 そんな聖の考えを読んだように、駿佑は付け足した。

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