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しおりを挟む元町が駿佑に支払った2万円で、黒ネコは動物病院にかかった。
幸いネコエイズなどの危険な病気には感染しておらず、ワクチン接種とノミやダニの駆除だけで済んだ。
後は、ネコのトイレやフードなどを揃えて、二人はもう一度元町を訪ねた。
「まぁあ! いらっしゃい、ネコちゃん!」
彼女は大喜びで黒ネコを抱きしめたが、その後ゆっくりと、困った顔になっていった。
「でも私、もうこの年でしょう。きっと、クロちゃんより先に死んじゃうわ」
「縁起でもないこと言わないでください、それに、もしも飼えなくなった時は、僕が引き取ります」
「いいの?」
「はい」
これで、元町老婆の心は癒される。
(完璧に、掃除完了だな)
駿佑は目を細めて、元町と一緒にネコを撫でる聖を眺めた。
彼には、私とはまた違う掃除の能力があるようだ。
自分自身も、癒される思いだった。
黒い掃除人と、白い掃除人。
そんな風に自分らを思い、微笑んだ。
胸に、白い可憐な花が咲いた心地がした。
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