胸に咲くは純白の花

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 警察沙汰になっては厄介なので、駿佑は四人の口からガムテープをはがし、手首の縛めを解いた。
「これで、起きれば自力で帰るだろう」
 律儀に清掃用具のホースもきちんと片付け、『清掃中』の札をはずそうと公衆トイレの外へ出た。
 外へ出て、足元にうずくまっている人影に、ぎょっとした。
「聖くん?」
「飛沢さん……」
 彼の顔は、蒼白だった。
 どうやら、一部始終を聞いていたようだ。
 いや、陰から見ていたのかもしれない。
 駿佑は、そんな聖に手を差し伸べた。
「立てるか?」
「はい」
「行こうか」
「はい」
 短く言葉を交わしながら、二人は暗い公園から立ち去った。
 四人は、置き去りだ。
 トイレの中とは言え、ずぶぬれのまま冬の空気にさらされていれば、肺炎を起こすかもしれない。
 だが、それも仕置きの内、と駿佑は考えていた。

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