ベータの俺にできること 【俺はただ、波留を悲しませたくないだけなんだ】

大波小波

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「あ、はぁあ! んんッ、あ、ぅんッ! っく、あぁ、あぁあん!」
 紫苑の抽挿は次第に激しさを増し、波留を思いきり乱れさせた。
「う、嘘ぉ。紫苑、優しいと、思ってたのにッ! こんなぁ!」
「イヤか、こういうの」
「ヤだ、やめないで! もっと、もっと、あぁあ!」
 びゅっ、と波留の精が飛んだ。
 これで2回目だ。
 来夢に開発されたのか、その体は打てば鳴るほど敏感だった。
 良すぎる感度で、さっきからイきっぱなしになっている。
 リズミカルに腰を打つ紫苑の下で、震え、悶え、痙攣している。

「す、すご、い。お腹の中、ぐちゃぐちゃに、なっちゃうぅ!」
「波留の中、すっごく気持ち悦いぞ」
 波留の体内は、独特の粘りと吸い付きがあった。
 時折びくびくと痙攣しては、紫苑のペニスに刺激を与えてくる。
「あ、俺も、もうダメかも。波留、中に出してもいいか?」
「来て! 紫苑の、いっぱいちょうだいぃ!」
「何てエロいこと言うんだよ、お前は!」

 波留のおねだりが引き金になり、紫苑は彼の体内にたっぷりと射精した。
「ひ、あぁ、あ! んんぅう、う! はぁあ、ああぁあ!」
「波留ぅ……ッ!」
 紫苑は波留の腰をしっかりと抱いて、下半身を密着させた。
 その体のわななきを、自分の中に取り入れるように。
 骨の軋みさえも、分かち合うように。
 最後の一滴まで出し尽くし、波留にキスをした。
 舌を絡め、擦り付け合い、ぐちゅぐちゅに濡れたキスをした。

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