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しおりを挟むどういうことだ?
来夢は由樹を諦めて、波留を大切にするんじゃなかったのか?
『うん。昨夜遅くに電話があってね』
『俺にはお前だけだから、って』
『好きだよ、愛してるよ、って言ってもらえた』
こんなことを、嬉しそうに話していた波留。
まだ彼に、失恋の危機があるというのか。
考え始めて黙ってしまった紫苑に、由樹が声を掛けてきた。
『あのね。来夢は、意地になってるのかも』
「意地? 何でだよ」
『僕が、ベータの紫苑とくっついたことが、逆に火をつけたんだと思う』
「そんなの、関係あるかよ」
『関係あるよ。アルファの男って、自分より劣るはずの人間に、マウント取られるの嫌うから』
紫苑は、舌打ちしていた。
まさか来夢が、そこまで幼い精神思考の持ち主だったとは。
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