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しおりを挟む放課後、自宅で夕食の準備をしていた紫苑は、インターホンの声に呼ばれて玄関へ出た。
「おおい、紫苑。ドア、開けてくれ!」
「何だよ、来夢。こんなに買い込んで」
外には、両手に大きく膨れたレジ袋を下げた兄が。
そして、由樹が立っていた。
その姿に、紫苑はドキリとした。
今さらだが、由樹は綺麗だ。
なめらかで透明感のある肌に、長い手足。
切れ長の印象的な目に、まっすぐで整った鼻に、潤いのある唇。
ゴージャスな、蘭の花のようなイメージを、彼は持っていた。
「お? なんかいい匂いする」
「飯、作ってたから」
「それは最高! さ、由樹も上がって上がって」
「お邪魔します」
夕食を急遽、酒の肴に良さそうなものに作り替え、紫苑はリビングに運んだ。
ローテーブルの上には、所狭しとアルコールの類が。
それに、スナックやチーズが並んでいる。
「さ、始めようぜ。紫苑、お前も混ざれよ」
「未成年が飲酒できるかよ」
するとそこへ、由樹が炭酸を手渡してきた。
「ノンアルもあるから、ね」
乾杯、と明るい来夢のコールと共に、宅飲みが始まった。
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