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ギム・ティ王国で…
3-4 ギルド合併
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「えーと、ギルドの合併ですね。」
「はい、そうです。」
チラと受付嬢が返事をした真とその腕にガッシリ身体を寄せているエリスを交互に凝視している。それは、この受付嬢に限らず周りの逞しい冒険者達も同じであり、ここまでひそひそと何か話しているのがわかる。
「(どうしてこうなった...まあ、理由はさっきラキシードから聞いたけど。)」
この状況の原因は三つ、一つ目はFランク冒険者が立ち上げたギルドとこの王国で三本の指に入るSSランクのみで結成(しかも女のみ)されたギルドの合併、しかも合併にはギルドのメンバー全員の了承が必要になるのでこの様な組み合わせは滅多にない。
二つ目は真の隣にくっついているエリス、彼女は月三に一度冒険者協会認定のもとに行っている冒険者投票というものがあり、その投票で女戦士職の強さ、人気、共に毎度一位なのだという、この投票は元々信頼できる冒険者の格付けをして上に行けば指名制の仕事が上がりますよ、という宣伝を兼ねた理由でやろうとしたらしいのだが今では男冒険者たちの月三の娯楽らしい。そんな彼女が名も知れぬ駆け出し冒険者と一緒に和気あいあいと腕を組みながらギルド合併手続きをしに来たとなればもう察しがつく。
三つ目はその名も知れぬ駆け出し冒険者が王国の三本指に入る冒険者ギルド相手にたった二人で勝ったということ、しかも一人は登録初日で飛び級SSランクをたたき出したという化け物。
そんな事は気にせずどんなお客様でも笑顔で対応しろと言われているのか、受付嬢は淡々と合併についての説明をしていく。
「お二人は今回ご結婚のためにギルドを合併するということでしたか?」
「うぇ?!ち、ちが...」
「その通り、察しが良い。」
「なっ...?!」
「ですよね!お二人とも凄くお似合いですもん!実は冒険者協会で冒険者同士の結婚があった場合はお祝いとして金貨30枚が出されるんです!この度は本当にご結婚おめで──」
「ち、ちち、違います!結婚しません!この人とは赤の他人です!」
「そう...なんですか?」
「いえ、この人はまだこの事実を喜びのあまり信じられていない。」
「そうですよね!お相手の方がまさかエリスさんなんて喜びで夢だと思っちゃいますよね!はあ、お二人とも本当に美男美女で皆さん憧れの──」
「やめて!違うから!違いますから!」
「こらー!何勝手に変な方向へ持ってこうとしとんじゃ、脳筋腹筋バキバキ女!」
「うるさい、胸なしゴスロリ。」
◆◇◆
「むぅー」
エリスはリスが口いっぱいに食べ物を詰めたように頬を膨らませていた。
「当たり前でしょ!お前じゃシン様に釣り合わないに決まってるじゃない。」
「で、では通常の合併で宜しいんですね?」
「はい、お願いします。」
「ギルド名はどうされますか?」
「《無双の狩猟者》でお願いします。」
「畏まりました。」
◆◇◆
真とアンコウは様々な店や宿屋が建ち並ぶ商店街の中を連れられて歩いていた。隣のアンコウは未だに先程のエリスの行動を気にしてるらしく、商店街の至るところにいちゃもんをつけていた。
「全く、どうして人間という下等生物共はこの様な明るいところが好きなのでしょうか...」
「そうかな、俺は好きだけど。」
「実はさっきの言葉は死んだ私の祖父のものでして、私もこういった賑やかなところは大好きなのです。」
「お前、召喚されたドラゴンだろ...」
「なんの事です?ピューピュー」
視線を逸らして斜め上を眺めながら口を尖らせて口笛をするという奇妙な行動をとっているので恐らく嘘だとわかる。そんなアンコウの様子を見ていると先頭を歩いていたレイシェルが二人の顔を見ながら前方を指さした。
「あれが、私達が住んでいるお家だよーん。」
一画だけ区切られた敷地にどこかの社長が持っていそうなヨーロッパの古風を漂わせた別荘のような家だった。
「おぉ~!すご~い!」
「ふむ、シン様のご住まいにしては少々小さいようにも感じますが悪くないです。」
中も外見と同様、ヨーロッパの古風さを意識した造りになっており、柔らかなローソクの光が良い雰囲気を醸し出している。
「いい部屋だ。」
無意識に出てしまった言葉に自分自身で驚いて思わず口を紡いでしまう。それに反応してタリアが笑いながら部屋の説明をしてくれている。
「下の階は大体説明したかな、次は上の階だけど上は個人の部屋になってるから。手前から私、レイシェル、ラキシード、エリスになってて、元々十人用の家だから、空いてる部屋を使って。」
「...」
「どうしたの?」
「いや、冒険者の暮らしってもっと過酷なものかと思ってた。」
「そうだね...私達もここに住めるようになるまでかなり時間かかったなぁ...」
「そういえば、《薔薇の狩猟者》の結成の時の話とか教えてよ。」
ギルド合併の際、彼女達からむず痒いので敬語はやめて欲しいと言われてしまったので今は砕けた様に話している。
「そうだねぇ、最初は皆本当にバラバラのだったんだよ、ギルドだって創ってなかったし。ウチの団長が一人一人声を掛けてったんだよね。」
「へー、そうなんだ。」
「まず、ラキシードから仲間にしたらしかったけどあいつは王国の騎士だったらしくてね、何故か団長が気に入られちゃって、王国騎士辞めて冒険者になったらしいよ。そんで次がレイシェル、あいつは元々一族で盗賊やってたらしいけど、ものすごく強い魔物に襲われてあいつ以外助からなかったらしくて、たまたま通りかかったエリスに助けられて行く宛がないから仲間に入ったって。」
「タリアは?」
「私は、元々仕事探そうと思って遠い村を出てきたんだ、でも女ができる仕事なんて全然見つかんなくて、で仕事探してたら冒険者に行き着いてエリスに声かけられたの。」
「なるほど、みんな色々大変だったんだな。」
「さ、下に行ってご飯食べよう!」
真は階段を降りていくタリアを見届けるともう一度屋敷をぐるっと見渡した。
◆◇◆
真の部屋は一番奥の部屋になった、エリスが自分の部屋の隣が空いているからそこに来いと言ったが、流石に隣に女性がいると意識したら眠れなくなってしまうと思ったので真だけ部屋を離してもらった。
「やっぱり、同居なんてやめとけば良かったかな...」
「そうです!同居なんてやめとけば良かったんです!」
「お前なぁ、他にも部屋はたくさんあるだろ...」
「私達従者は主の近くにいて魔力を貰わないと存在出来なくなってしまうのです!」
「マジ?!」
「嘘です...」
「──寝よ。」
真が布団を手前に手繰り寄せて被ろうとした瞬間にアンコウが足元から侵入する。
「おい!」
「主人を常に護る義務があります!」
「はぁ、まあ良いか。寝る時ぐらいは...」
「本当ですか!?」
「どうせトカゲだし。」
「酷い!!」
真もアンコウも横向きに寝ているので傍から見れば抱き合って寝ているかたちになっているだろう。しかし、真には抱き心地の良い枕を抱いている様なとても良い気分だった。この感覚なしでは今後眠れない程に。
「アンコウ、今日から俺と一緒に寝ることを許す。」
「えぇ?やったぁ!ありがとうございます!」
何故こんなに礼を言われるのか覚えはなかったが素直にこの時のアンコウは可愛く思えた真だった。
「はい、そうです。」
チラと受付嬢が返事をした真とその腕にガッシリ身体を寄せているエリスを交互に凝視している。それは、この受付嬢に限らず周りの逞しい冒険者達も同じであり、ここまでひそひそと何か話しているのがわかる。
「(どうしてこうなった...まあ、理由はさっきラキシードから聞いたけど。)」
この状況の原因は三つ、一つ目はFランク冒険者が立ち上げたギルドとこの王国で三本の指に入るSSランクのみで結成(しかも女のみ)されたギルドの合併、しかも合併にはギルドのメンバー全員の了承が必要になるのでこの様な組み合わせは滅多にない。
二つ目は真の隣にくっついているエリス、彼女は月三に一度冒険者協会認定のもとに行っている冒険者投票というものがあり、その投票で女戦士職の強さ、人気、共に毎度一位なのだという、この投票は元々信頼できる冒険者の格付けをして上に行けば指名制の仕事が上がりますよ、という宣伝を兼ねた理由でやろうとしたらしいのだが今では男冒険者たちの月三の娯楽らしい。そんな彼女が名も知れぬ駆け出し冒険者と一緒に和気あいあいと腕を組みながらギルド合併手続きをしに来たとなればもう察しがつく。
三つ目はその名も知れぬ駆け出し冒険者が王国の三本指に入る冒険者ギルド相手にたった二人で勝ったということ、しかも一人は登録初日で飛び級SSランクをたたき出したという化け物。
そんな事は気にせずどんなお客様でも笑顔で対応しろと言われているのか、受付嬢は淡々と合併についての説明をしていく。
「お二人は今回ご結婚のためにギルドを合併するということでしたか?」
「うぇ?!ち、ちが...」
「その通り、察しが良い。」
「なっ...?!」
「ですよね!お二人とも凄くお似合いですもん!実は冒険者協会で冒険者同士の結婚があった場合はお祝いとして金貨30枚が出されるんです!この度は本当にご結婚おめで──」
「ち、ちち、違います!結婚しません!この人とは赤の他人です!」
「そう...なんですか?」
「いえ、この人はまだこの事実を喜びのあまり信じられていない。」
「そうですよね!お相手の方がまさかエリスさんなんて喜びで夢だと思っちゃいますよね!はあ、お二人とも本当に美男美女で皆さん憧れの──」
「やめて!違うから!違いますから!」
「こらー!何勝手に変な方向へ持ってこうとしとんじゃ、脳筋腹筋バキバキ女!」
「うるさい、胸なしゴスロリ。」
◆◇◆
「むぅー」
エリスはリスが口いっぱいに食べ物を詰めたように頬を膨らませていた。
「当たり前でしょ!お前じゃシン様に釣り合わないに決まってるじゃない。」
「で、では通常の合併で宜しいんですね?」
「はい、お願いします。」
「ギルド名はどうされますか?」
「《無双の狩猟者》でお願いします。」
「畏まりました。」
◆◇◆
真とアンコウは様々な店や宿屋が建ち並ぶ商店街の中を連れられて歩いていた。隣のアンコウは未だに先程のエリスの行動を気にしてるらしく、商店街の至るところにいちゃもんをつけていた。
「全く、どうして人間という下等生物共はこの様な明るいところが好きなのでしょうか...」
「そうかな、俺は好きだけど。」
「実はさっきの言葉は死んだ私の祖父のものでして、私もこういった賑やかなところは大好きなのです。」
「お前、召喚されたドラゴンだろ...」
「なんの事です?ピューピュー」
視線を逸らして斜め上を眺めながら口を尖らせて口笛をするという奇妙な行動をとっているので恐らく嘘だとわかる。そんなアンコウの様子を見ていると先頭を歩いていたレイシェルが二人の顔を見ながら前方を指さした。
「あれが、私達が住んでいるお家だよーん。」
一画だけ区切られた敷地にどこかの社長が持っていそうなヨーロッパの古風を漂わせた別荘のような家だった。
「おぉ~!すご~い!」
「ふむ、シン様のご住まいにしては少々小さいようにも感じますが悪くないです。」
中も外見と同様、ヨーロッパの古風さを意識した造りになっており、柔らかなローソクの光が良い雰囲気を醸し出している。
「いい部屋だ。」
無意識に出てしまった言葉に自分自身で驚いて思わず口を紡いでしまう。それに反応してタリアが笑いながら部屋の説明をしてくれている。
「下の階は大体説明したかな、次は上の階だけど上は個人の部屋になってるから。手前から私、レイシェル、ラキシード、エリスになってて、元々十人用の家だから、空いてる部屋を使って。」
「...」
「どうしたの?」
「いや、冒険者の暮らしってもっと過酷なものかと思ってた。」
「そうだね...私達もここに住めるようになるまでかなり時間かかったなぁ...」
「そういえば、《薔薇の狩猟者》の結成の時の話とか教えてよ。」
ギルド合併の際、彼女達からむず痒いので敬語はやめて欲しいと言われてしまったので今は砕けた様に話している。
「そうだねぇ、最初は皆本当にバラバラのだったんだよ、ギルドだって創ってなかったし。ウチの団長が一人一人声を掛けてったんだよね。」
「へー、そうなんだ。」
「まず、ラキシードから仲間にしたらしかったけどあいつは王国の騎士だったらしくてね、何故か団長が気に入られちゃって、王国騎士辞めて冒険者になったらしいよ。そんで次がレイシェル、あいつは元々一族で盗賊やってたらしいけど、ものすごく強い魔物に襲われてあいつ以外助からなかったらしくて、たまたま通りかかったエリスに助けられて行く宛がないから仲間に入ったって。」
「タリアは?」
「私は、元々仕事探そうと思って遠い村を出てきたんだ、でも女ができる仕事なんて全然見つかんなくて、で仕事探してたら冒険者に行き着いてエリスに声かけられたの。」
「なるほど、みんな色々大変だったんだな。」
「さ、下に行ってご飯食べよう!」
真は階段を降りていくタリアを見届けるともう一度屋敷をぐるっと見渡した。
◆◇◆
真の部屋は一番奥の部屋になった、エリスが自分の部屋の隣が空いているからそこに来いと言ったが、流石に隣に女性がいると意識したら眠れなくなってしまうと思ったので真だけ部屋を離してもらった。
「やっぱり、同居なんてやめとけば良かったかな...」
「そうです!同居なんてやめとけば良かったんです!」
「お前なぁ、他にも部屋はたくさんあるだろ...」
「私達従者は主の近くにいて魔力を貰わないと存在出来なくなってしまうのです!」
「マジ?!」
「嘘です...」
「──寝よ。」
真が布団を手前に手繰り寄せて被ろうとした瞬間にアンコウが足元から侵入する。
「おい!」
「主人を常に護る義務があります!」
「はぁ、まあ良いか。寝る時ぐらいは...」
「本当ですか!?」
「どうせトカゲだし。」
「酷い!!」
真もアンコウも横向きに寝ているので傍から見れば抱き合って寝ているかたちになっているだろう。しかし、真には抱き心地の良い枕を抱いている様なとても良い気分だった。この感覚なしでは今後眠れない程に。
「アンコウ、今日から俺と一緒に寝ることを許す。」
「えぇ?やったぁ!ありがとうございます!」
何故こんなに礼を言われるのか覚えはなかったが素直にこの時のアンコウは可愛く思えた真だった。
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