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4章 我が女神、それは
脳が破壊される
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アカウントを再取得し、パーティが組める段階まで進めた。前に遊んだ時は騎士を選んだと二人に言うと、せっかくだから違う職業を選んでみてはと勧められる。
ブルースフィアの職業は四つ。
騎士、魔法使い、僧侶、弓士だ。
騎士は俺とブランド女。僧侶はアンジェラが選択していた。ならば残された二つから選択しようと考える。気になったのは魔法使いであるが、おそらく女性陣のどちらかが選ぶ可能性がある。配信的に被らないほうがベターだろう。何を選んだか訊いてしまいたかったが、俺が何を選ぶかクイズ形式になってしまったがため叶わなかった。
悩んだ末、選んだのは弓士。
初期武器は弓で、最終的には銃が使えるようになる。初期武器の段階でも矢に火をつければ属性武器として使うことができるから序盤限りであるが最強武器種とも呼ばれている。最初、一人で山登りを敢行しようとして最初からやり直すべきか悩んだこともあった。元のアカウントでは派生武器である刀を解放しているため、もはや面倒すぎてその選択肢を取る方が面倒になってしまった。
最初のイベントを終え、町中へ出ると沢山の人が俺を待ち構えていた。最初は他の人を待っていると思ったが、皆口々に「弓持ってんな」「弓士か」などと俺の装備を見て一喜一憂するので俺を待ち構えていたのだと理解した。
「あー外れたぁー!」
妹の阿呆みたいな大声が耳に届く。
声がした方に目を遣ると、ゴスロリアバターまんまの妹がいた。以前のバトルロイヤルゲームのときは衣装制限があり、そのゴスロリを剥奪されて戦闘服にコンバートされていたが、PVEがメインの本ゲームにおいては制限は薄く、元の衣装そのまんまの妹がいた。
その隣には女神がいた。
「ほら言ったとおりでしょ! 弓の方が格好いいって」
「にーちゃんは中二病罹患者だから、魔法使いと僧侶と弓士なら絶対魔法使い選ぶって思ってたのにー!」
俺は二人に近づく。
「その様子だと舞香が外して汐見さんが当たったみたいですね」
「お兄さん、呼び捨てでいーですよ」
「いやしかしそれは不味いのでは?」
「何が不味いの?」
「汐見さんのファンと俺のアンチが核融合しますよきっと」
周囲のファンから「自分のことよくわかってんな!」と野次が飛んでくる。汚いオッサンの声であった。
「あーお兄さんに飛んでくのか……」
シオミンは人差し指を顎に当てて数秒、何かいいことを思いついたようにニコリとした。
シオミンは隣にいる妹と腕を絡ませ、その頬に口付けをした。
「みんなー安心してー! 汐見が好きなのはー女の子だからー!」
まさかのカミングアウト。いや、これは百合営業宣言なのだろう。周囲を安心させるための。
「お兄さんのことは、お義兄さんって呼ぶね!」
周囲も委細承知でネタと割り切って笑っている。
この場で笑えていないのは、そういうネタに疎いノンケの妹と妹に寝取られた俺だけであった。
ブルースフィアの職業は四つ。
騎士、魔法使い、僧侶、弓士だ。
騎士は俺とブランド女。僧侶はアンジェラが選択していた。ならば残された二つから選択しようと考える。気になったのは魔法使いであるが、おそらく女性陣のどちらかが選ぶ可能性がある。配信的に被らないほうがベターだろう。何を選んだか訊いてしまいたかったが、俺が何を選ぶかクイズ形式になってしまったがため叶わなかった。
悩んだ末、選んだのは弓士。
初期武器は弓で、最終的には銃が使えるようになる。初期武器の段階でも矢に火をつければ属性武器として使うことができるから序盤限りであるが最強武器種とも呼ばれている。最初、一人で山登りを敢行しようとして最初からやり直すべきか悩んだこともあった。元のアカウントでは派生武器である刀を解放しているため、もはや面倒すぎてその選択肢を取る方が面倒になってしまった。
最初のイベントを終え、町中へ出ると沢山の人が俺を待ち構えていた。最初は他の人を待っていると思ったが、皆口々に「弓持ってんな」「弓士か」などと俺の装備を見て一喜一憂するので俺を待ち構えていたのだと理解した。
「あー外れたぁー!」
妹の阿呆みたいな大声が耳に届く。
声がした方に目を遣ると、ゴスロリアバターまんまの妹がいた。以前のバトルロイヤルゲームのときは衣装制限があり、そのゴスロリを剥奪されて戦闘服にコンバートされていたが、PVEがメインの本ゲームにおいては制限は薄く、元の衣装そのまんまの妹がいた。
その隣には女神がいた。
「ほら言ったとおりでしょ! 弓の方が格好いいって」
「にーちゃんは中二病罹患者だから、魔法使いと僧侶と弓士なら絶対魔法使い選ぶって思ってたのにー!」
俺は二人に近づく。
「その様子だと舞香が外して汐見さんが当たったみたいですね」
「お兄さん、呼び捨てでいーですよ」
「いやしかしそれは不味いのでは?」
「何が不味いの?」
「汐見さんのファンと俺のアンチが核融合しますよきっと」
周囲のファンから「自分のことよくわかってんな!」と野次が飛んでくる。汚いオッサンの声であった。
「あーお兄さんに飛んでくのか……」
シオミンは人差し指を顎に当てて数秒、何かいいことを思いついたようにニコリとした。
シオミンは隣にいる妹と腕を絡ませ、その頬に口付けをした。
「みんなー安心してー! 汐見が好きなのはー女の子だからー!」
まさかのカミングアウト。いや、これは百合営業宣言なのだろう。周囲を安心させるための。
「お兄さんのことは、お義兄さんって呼ぶね!」
周囲も委細承知でネタと割り切って笑っている。
この場で笑えていないのは、そういうネタに疎いノンケの妹と妹に寝取られた俺だけであった。
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