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とりあえず、本格的に他人を巻き込んで来たので俺としても容赦は出来ない。
「はーい、お口アーンしましょうねぇ?」
ノコノコとやって来て、自白とも取れる行為をおこなった元仲間達。
と言っても、二人だけだが。
その二人を食堂の椅子に背中合わせで括りつけ、自白剤入の雑炊を食べさせようとする。
まぁ、当然拒否される。
コンナコトシテタダデスムトオモウナー、的な鳴き声が聞こえてくるが、無視する。
対野菜泥棒用の、特性自白剤だ。
実家の作業小屋に野菜と一緒に転がっていたのを、わざわざ転移魔法で取りに行ってきたのだ。
その時、クソ親父とすれ違ったが、とくに何も話すことは無かった。
口を開けば嫌味しか言ってこないのを知っているからだ。
向こうは向こうで俺を兄弟の誰かと間違えていて、間違えた名前で呼んでいたが、無視した。
子供の顔と名前くらい一致させろや。
そんなこんなで手に入れた自白剤。
投与目的はもちろんリアさんの居場所を白状させるためだ。
「てめぇみたいな農民がこんなことして許されると思ってんのか?!」
怒鳴られ、唾を吐かれる。
きったねーな、おい。
「貴族と結託して一般人のリアさん巻き込んで許されるとおもってんの?」
この前殴ってきたのとは別の少年、少年Bでいっか。
少年Bの言葉に、俺は淡々と返した。
「そもそもお前が俺たちを騙さなかったら、アンを襲わなかったらこんなことにはなってないだろ!!」
今度は少年Cがそう怒鳴ってきた。
「騙してなんかないだろ。それに俺は何度も言ってるぞ。襲ってもいないってな」
あー、もうめんどくせぇなぁ。
口からはやめて、鼻か、いっその事ケツから入れるか?
中に入って吸収されれば同じだろ。
俺はぱちん、と指を鳴らす。
それだけで、二人の体が固まって怒りの形相のまま、戸惑っているのがわかる。
「あのさー、ここまでは元仲間ってことでサービスしてたんだよ。
人権的配慮、みたいな?
でもお前ら自分たちのことばっかり、そして俺を責めてばっかりでさ。
話にならねーから、もういいや。
お前らはさ、農民ってことで馬鹿にしてるけど。
その農民の仕事の中に畑泥棒への対処とかあるの知ってるか?
知らないだろうな?
お前らは俺たち農民を見下して、知ろうともしなかった。
農民が人を痛め付けることに対して、不慣れだと思うか?」
四つの瞳の中に、初めて俺への恐怖が出始める。
「お前らみたいなマナーの悪い冒険者、もう一度言うが畑泥棒、あとは害獣にモンスター。
それらを相手にしてきた農民が、そんなに優しい人間だと思ってんの??
現にこうしてお前ら、格下のはずの俺の魔法から逃げられないだろ?
解けるもんなら解いてみろよ。
狩りも解体も1番下手くそでドベだった俺は、他の誰よりも魔法が上手って褒められてたんだ。
知らなかっただろ?」
そして、ぱちん、とまた俺は指を鳴らした。
「俺は、人間、素直が一番だと思うぞ」
最後通牒として、早く話せ、と言う意味をこめてそう言う。
「なんだ、やっぱり嘘つきじゃねーか!!
これだけの実力があんの隠してたってことだろ!!
仕事をサボるために!!」
少年B、いやCだったか?
まぁどっちでもいいや。
そいつがそんなことを、吠えた。
俺は自白剤を使うのすらやめる。
お前は俺を怒らせた。
俺は、大きく手を一度だけパンっと叩いた。
「こんな言葉があるの、育ちがいいお前らは知ってるか?」
俺は手のひらに、小石を出現させる。ついでにもう一つ、この前の合同昇級試験のときに出来た縁で手に入れた、【妖精王の涙】と呼ばれる薬草から生成した薬も魔法袋から取り出す。
それを弄びながら、俺は続けた。
「バカは死ななきゃ治らない」
言って、石を弾いた。
それは、俺を怒らせた元仲間の額に当たり、額から後頭部にかけて貫通した。
頭の中身を撒き散らせて、そいつの頭が力なく垂れた。
「おいっ?! なにをしたんだ?!!」
余ってたもう一人が、キャンキャンと吠えた。
なので、
「うるさい」
俺はまた石を弾いた。
それは、余ってた方の太ももを貫通する。
「へ?」
マヌケな声の後、痛さによる悲鳴が上がった。
「失血死って、寒くなるって聞いたけどどうなん?
やっぱ寒い?」
「イヤだ、死にたくない、死にたくない!!
なぁ、仲間だろ?!
俺たち仲間だっただろ!!??
なんでこんなこと出来んだよ!?」
「仲間?
仲間だったっけ??
そもそも、俺たちは仲間だったのか?
都合のいい雑用係、の間違いだろ?」
俺は言いながら、先程取り出した薬を、頭の中身をぶちまけた方へ振りかける。
粉末状の薬は黄金色に輝いて、死んだばかりの馬鹿を蘇生させた。
「なあ? お前はどう思う?」
蘇生させられた馬鹿が、俺の問いに恐怖で顔を引き攣らせる。
「お前は俺の事、仲間として見てたか?
あの女が現れる前も、なんだかんだ理屈を捏ねて、何も出来ない農民に仕事を与えてやってたんじゃなかったか?」
「ひぃっ!
ごめんなさい!ごめんなさい!!」
幻覚の中で、泣きわめき許しを乞う元仲間達を見ながら、俺はため息を吐き出した。
「精神が死ぬ前に、さっさと白状してくれないかなぁ」
もちろん俺はコイツらを手にかけたりなんてしていない。
すべて幻だ。
まあ、コイツらにしてみればかなりタチの悪い悪夢を見せられ続けている状態だが。
と、そこにテトさんからリアさん誘拐の報せを受けたエリィさんが駆けつけてきた。
そして、俺が行っていた精神的拷問による、地味な光景を見て、
「何をしてるんだ?」
そう聞いて来たのだった。
そして、さらにエリィさんの背後から予想外の人物が現れて、こう言ってきた。
「ただいまー。ごめんね。朝ごはん作れなくて。
みんなもう学校と仕事に行っちゃったか」
現れたのは誘拐されたはずのリアさんだった。
なんてこったい、人質が自分で帰ってきちゃった。
拷問やり損だなぁ。
「おかえりなさい、リアさん。
迎え行く予定だったんですけど、間に合わなかったみたいですみません」
「リア! 無事だったか!!」
口々に言う俺とエリィさん。
リアさんは苦笑した。
「ごめんね、心配かけて。
見ての通り大丈夫だったから!
気にしないで。
それよりも、話纏めてきたからさ!」
「?」
リアさんが楽しそうに言って来たが、なんのことか分からず俺は首を傾げた。
「はーい、お口アーンしましょうねぇ?」
ノコノコとやって来て、自白とも取れる行為をおこなった元仲間達。
と言っても、二人だけだが。
その二人を食堂の椅子に背中合わせで括りつけ、自白剤入の雑炊を食べさせようとする。
まぁ、当然拒否される。
コンナコトシテタダデスムトオモウナー、的な鳴き声が聞こえてくるが、無視する。
対野菜泥棒用の、特性自白剤だ。
実家の作業小屋に野菜と一緒に転がっていたのを、わざわざ転移魔法で取りに行ってきたのだ。
その時、クソ親父とすれ違ったが、とくに何も話すことは無かった。
口を開けば嫌味しか言ってこないのを知っているからだ。
向こうは向こうで俺を兄弟の誰かと間違えていて、間違えた名前で呼んでいたが、無視した。
子供の顔と名前くらい一致させろや。
そんなこんなで手に入れた自白剤。
投与目的はもちろんリアさんの居場所を白状させるためだ。
「てめぇみたいな農民がこんなことして許されると思ってんのか?!」
怒鳴られ、唾を吐かれる。
きったねーな、おい。
「貴族と結託して一般人のリアさん巻き込んで許されるとおもってんの?」
この前殴ってきたのとは別の少年、少年Bでいっか。
少年Bの言葉に、俺は淡々と返した。
「そもそもお前が俺たちを騙さなかったら、アンを襲わなかったらこんなことにはなってないだろ!!」
今度は少年Cがそう怒鳴ってきた。
「騙してなんかないだろ。それに俺は何度も言ってるぞ。襲ってもいないってな」
あー、もうめんどくせぇなぁ。
口からはやめて、鼻か、いっその事ケツから入れるか?
中に入って吸収されれば同じだろ。
俺はぱちん、と指を鳴らす。
それだけで、二人の体が固まって怒りの形相のまま、戸惑っているのがわかる。
「あのさー、ここまでは元仲間ってことでサービスしてたんだよ。
人権的配慮、みたいな?
でもお前ら自分たちのことばっかり、そして俺を責めてばっかりでさ。
話にならねーから、もういいや。
お前らはさ、農民ってことで馬鹿にしてるけど。
その農民の仕事の中に畑泥棒への対処とかあるの知ってるか?
知らないだろうな?
お前らは俺たち農民を見下して、知ろうともしなかった。
農民が人を痛め付けることに対して、不慣れだと思うか?」
四つの瞳の中に、初めて俺への恐怖が出始める。
「お前らみたいなマナーの悪い冒険者、もう一度言うが畑泥棒、あとは害獣にモンスター。
それらを相手にしてきた農民が、そんなに優しい人間だと思ってんの??
現にこうしてお前ら、格下のはずの俺の魔法から逃げられないだろ?
解けるもんなら解いてみろよ。
狩りも解体も1番下手くそでドベだった俺は、他の誰よりも魔法が上手って褒められてたんだ。
知らなかっただろ?」
そして、ぱちん、とまた俺は指を鳴らした。
「俺は、人間、素直が一番だと思うぞ」
最後通牒として、早く話せ、と言う意味をこめてそう言う。
「なんだ、やっぱり嘘つきじゃねーか!!
これだけの実力があんの隠してたってことだろ!!
仕事をサボるために!!」
少年B、いやCだったか?
まぁどっちでもいいや。
そいつがそんなことを、吠えた。
俺は自白剤を使うのすらやめる。
お前は俺を怒らせた。
俺は、大きく手を一度だけパンっと叩いた。
「こんな言葉があるの、育ちがいいお前らは知ってるか?」
俺は手のひらに、小石を出現させる。ついでにもう一つ、この前の合同昇級試験のときに出来た縁で手に入れた、【妖精王の涙】と呼ばれる薬草から生成した薬も魔法袋から取り出す。
それを弄びながら、俺は続けた。
「バカは死ななきゃ治らない」
言って、石を弾いた。
それは、俺を怒らせた元仲間の額に当たり、額から後頭部にかけて貫通した。
頭の中身を撒き散らせて、そいつの頭が力なく垂れた。
「おいっ?! なにをしたんだ?!!」
余ってたもう一人が、キャンキャンと吠えた。
なので、
「うるさい」
俺はまた石を弾いた。
それは、余ってた方の太ももを貫通する。
「へ?」
マヌケな声の後、痛さによる悲鳴が上がった。
「失血死って、寒くなるって聞いたけどどうなん?
やっぱ寒い?」
「イヤだ、死にたくない、死にたくない!!
なぁ、仲間だろ?!
俺たち仲間だっただろ!!??
なんでこんなこと出来んだよ!?」
「仲間?
仲間だったっけ??
そもそも、俺たちは仲間だったのか?
都合のいい雑用係、の間違いだろ?」
俺は言いながら、先程取り出した薬を、頭の中身をぶちまけた方へ振りかける。
粉末状の薬は黄金色に輝いて、死んだばかりの馬鹿を蘇生させた。
「なあ? お前はどう思う?」
蘇生させられた馬鹿が、俺の問いに恐怖で顔を引き攣らせる。
「お前は俺の事、仲間として見てたか?
あの女が現れる前も、なんだかんだ理屈を捏ねて、何も出来ない農民に仕事を与えてやってたんじゃなかったか?」
「ひぃっ!
ごめんなさい!ごめんなさい!!」
幻覚の中で、泣きわめき許しを乞う元仲間達を見ながら、俺はため息を吐き出した。
「精神が死ぬ前に、さっさと白状してくれないかなぁ」
もちろん俺はコイツらを手にかけたりなんてしていない。
すべて幻だ。
まあ、コイツらにしてみればかなりタチの悪い悪夢を見せられ続けている状態だが。
と、そこにテトさんからリアさん誘拐の報せを受けたエリィさんが駆けつけてきた。
そして、俺が行っていた精神的拷問による、地味な光景を見て、
「何をしてるんだ?」
そう聞いて来たのだった。
そして、さらにエリィさんの背後から予想外の人物が現れて、こう言ってきた。
「ただいまー。ごめんね。朝ごはん作れなくて。
みんなもう学校と仕事に行っちゃったか」
現れたのは誘拐されたはずのリアさんだった。
なんてこったい、人質が自分で帰ってきちゃった。
拷問やり損だなぁ。
「おかえりなさい、リアさん。
迎え行く予定だったんですけど、間に合わなかったみたいですみません」
「リア! 無事だったか!!」
口々に言う俺とエリィさん。
リアさんは苦笑した。
「ごめんね、心配かけて。
見ての通り大丈夫だったから!
気にしないで。
それよりも、話纏めてきたからさ!」
「?」
リアさんが楽しそうに言って来たが、なんのことか分からず俺は首を傾げた。
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