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【何故】配慮なんて知るか!!全部実況する!!(ヤケクソ)【こうなった?!】
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■■■
ついでだから、とユートはつい数時間前のやり取りを書き込むことにした。
***
「それで、なんでそこまでして実力を隠しているんだ??」
生徒会室にて、ユートはそう問い詰められていた。
二度目の茶会である。
「わかりませんか?」
出された茶には手をつけず、ユートはメアリを見返す。
「わからないな。
なにしろ、私は世間知らずの侯爵令嬢だからな」
いけしゃあしゃあと言ってのけるメアリに、ユートはジト目になる。
ちなみに彼女もだが貴族階級の人間は、世間知らずのお貴族様、という陰口を叩かれている。
ネットでちょっと検索すればゴロゴロ出てくる文言だ。
「本人の口から説明してもらわなければわからない。
それとも、君は【察してちゃん】か?」
「……はぁ」
めんどくせぇなー、と態度に出しつつユートは口を開いた。
「俺が生徒会役員に任命されて、なにが起きたかはご存知ですよね?
狡だなんだと言われ、たいした能力もないことを証明しようと暴力を振るわれました。
これは、生徒会役員に任命されたからこそ起きました。
じゃあ、その前に実は戦闘能力があります。
俺はこれだけ強いんです、ってもっと早く示していたらどうなっていたでしょうか?
俺は結果は同じだったと考えています。
ニンゲンは、自分とは違った考え方、違った能力を持った存在を恐れます。
でも、それが身分が上である貴族であったなら畏怖になる。
けれど、身分が同等か下の者なら迫害されます。
それが嫌だったんですよ」
「ふむ。
だが、君は今や騎士の位を賜った準貴族だ。
爵位を継いでいない学園の生徒達よりは、そう言った意味では立場は上、と考えられなくもないが?」
「その発想ができるなら殴ってこないでしょう」
ちなみに、ユートの騎士爵は世襲できない一代貴族にあたる。
学園には各家の爵位継承者と、そのスペアである次男三男がいる。
生徒の大半は、爵位を持っていないのだ。
血は高貴で、家柄もいい。
しかし、爵位はもっていないのである。
メアリだってそうだ。
「ましてや、入学当初から俺は嫌われてましたから」
授業でダラける前から、ユートはこの学園の生徒に嫌われていた。
能力の有無の前に、である。
彼の表向きの事情を欠片も考慮せずに、そもそも庶民がこの学園の土を踏むとは何事か、けしからんという訳である。
(まぁ、それは分かってたことなんだけどさ)
入学前に、この辺のことはラトラから説明があった。
説明を受けたユートは、そんな学校じゃなく、ほかの民間の高校じゃダメなのか、という疑問が出てきた。
ラトラにその疑問をぶつけると、返ってきた答えが、
『魔法が使えることで異端扱いされるのが好みか?』
だった。
魔力が発現するのは、基本貴族だ。
ユートは魔法が好きだ。
魔法が使えること、それ自体を誇ってさえいる。
好きなことで異端扱いされるのは嫌である。
それなら、身分で異端扱いされる方がまだマシだった。
「こうなることが予想出来たから、隠してきたんです」
「……見返そうとは思わないのか?」
「現実を見てくださいよ、会長。
俺が怪我を治した人達は、出来ることをしたんだから感謝する訳ねーだろって陰で言ってんですよ??
まぁ、感謝されるのを目的に怪我を治した訳じゃないですけど。
むしろ、仕事をしただけなんだから調子のんな、とも言われましたねぇ」
これだけ感覚がズレているのだ。
普通の人間だったなら心がとうに折れているだろう。
「それに、爵位や称号もらってから更にイジメが激化したんです」
ほぼ毎日、なにかしらで絡まれるようになった。
だるくて仕方ない。
「もういいでしょう?
毛色の違うペット鑑賞はやめにしましょうよ。
俺を役員から外してください」
直訳すれば、生徒会やめさせろ、である。
「これでも昼寝したり散歩したり忙しいんです」
昼寝はそのままの意味だが、散歩というのはスネーク実況によるお出かけのことだ。
そんなユートの訴えに、メアリはニコリと笑って見せた。
意見が通るかと思いきや、そんなことは無く。
「優秀な人材はちゃんと使わなければな」
なんて笑顔で言われてしまった。
さすがにユートの顔が、ナメクジやカエルを知らず踏み潰してしまったような顔になった。
***
こんなやり取りがつい数時間前にあったわけだ。
それを書き込んだ。
スレ民の反応はというと。
■■■
85:名無しの冒険者
目をつけられたな
86:底辺冒険者
大変でござるなぁ
魔眼保持者氏
87:名無しの冒険者
つーか、今更なんだけど
魔眼保持者って、俺たちにカミングアウトしたことはいいんか?
88:魔眼保持者
え、だってここの連中は【王立魔法学園の生徒】じゃないじゃん
俺が飼い主から言われたのは、【ほかの生徒に魔眼保持者ってバレるな】っことだから
だから大丈夫
89:名無しの冒険者
うわぁ、屁理屈
90:名無しの冒険者
大丈夫、とは??
91:魔眼保持者
まぁ、報告はここまでにして
これ見てくれwww
つ【生徒会からの仕事の書類】
92:名無しの冒険者
これ、社外秘ならぬ校外秘になるやつなんじゃ
93:名無しの冒険者
なにこの書類
94:魔眼保持者
仕事しろってさ
会長から渡された
せっかく力を持ってるんだから、使え、だと
ダリィ、めんどくせぇ
95:名無しの冒険者
>>94
でも、それをわざわざスレを立ててまで晒してる、と
本音は?
96:魔眼保持者
実況すっぞ野郎どもぉぉぉ!!??
イェ━━━゚(∀)゚━━━イ!!
97:名無しの冒険者
そんなこったろうと思ったよ
ついでだから、とユートはつい数時間前のやり取りを書き込むことにした。
***
「それで、なんでそこまでして実力を隠しているんだ??」
生徒会室にて、ユートはそう問い詰められていた。
二度目の茶会である。
「わかりませんか?」
出された茶には手をつけず、ユートはメアリを見返す。
「わからないな。
なにしろ、私は世間知らずの侯爵令嬢だからな」
いけしゃあしゃあと言ってのけるメアリに、ユートはジト目になる。
ちなみに彼女もだが貴族階級の人間は、世間知らずのお貴族様、という陰口を叩かれている。
ネットでちょっと検索すればゴロゴロ出てくる文言だ。
「本人の口から説明してもらわなければわからない。
それとも、君は【察してちゃん】か?」
「……はぁ」
めんどくせぇなー、と態度に出しつつユートは口を開いた。
「俺が生徒会役員に任命されて、なにが起きたかはご存知ですよね?
狡だなんだと言われ、たいした能力もないことを証明しようと暴力を振るわれました。
これは、生徒会役員に任命されたからこそ起きました。
じゃあ、その前に実は戦闘能力があります。
俺はこれだけ強いんです、ってもっと早く示していたらどうなっていたでしょうか?
俺は結果は同じだったと考えています。
ニンゲンは、自分とは違った考え方、違った能力を持った存在を恐れます。
でも、それが身分が上である貴族であったなら畏怖になる。
けれど、身分が同等か下の者なら迫害されます。
それが嫌だったんですよ」
「ふむ。
だが、君は今や騎士の位を賜った準貴族だ。
爵位を継いでいない学園の生徒達よりは、そう言った意味では立場は上、と考えられなくもないが?」
「その発想ができるなら殴ってこないでしょう」
ちなみに、ユートの騎士爵は世襲できない一代貴族にあたる。
学園には各家の爵位継承者と、そのスペアである次男三男がいる。
生徒の大半は、爵位を持っていないのだ。
血は高貴で、家柄もいい。
しかし、爵位はもっていないのである。
メアリだってそうだ。
「ましてや、入学当初から俺は嫌われてましたから」
授業でダラける前から、ユートはこの学園の生徒に嫌われていた。
能力の有無の前に、である。
彼の表向きの事情を欠片も考慮せずに、そもそも庶民がこの学園の土を踏むとは何事か、けしからんという訳である。
(まぁ、それは分かってたことなんだけどさ)
入学前に、この辺のことはラトラから説明があった。
説明を受けたユートは、そんな学校じゃなく、ほかの民間の高校じゃダメなのか、という疑問が出てきた。
ラトラにその疑問をぶつけると、返ってきた答えが、
『魔法が使えることで異端扱いされるのが好みか?』
だった。
魔力が発現するのは、基本貴族だ。
ユートは魔法が好きだ。
魔法が使えること、それ自体を誇ってさえいる。
好きなことで異端扱いされるのは嫌である。
それなら、身分で異端扱いされる方がまだマシだった。
「こうなることが予想出来たから、隠してきたんです」
「……見返そうとは思わないのか?」
「現実を見てくださいよ、会長。
俺が怪我を治した人達は、出来ることをしたんだから感謝する訳ねーだろって陰で言ってんですよ??
まぁ、感謝されるのを目的に怪我を治した訳じゃないですけど。
むしろ、仕事をしただけなんだから調子のんな、とも言われましたねぇ」
これだけ感覚がズレているのだ。
普通の人間だったなら心がとうに折れているだろう。
「それに、爵位や称号もらってから更にイジメが激化したんです」
ほぼ毎日、なにかしらで絡まれるようになった。
だるくて仕方ない。
「もういいでしょう?
毛色の違うペット鑑賞はやめにしましょうよ。
俺を役員から外してください」
直訳すれば、生徒会やめさせろ、である。
「これでも昼寝したり散歩したり忙しいんです」
昼寝はそのままの意味だが、散歩というのはスネーク実況によるお出かけのことだ。
そんなユートの訴えに、メアリはニコリと笑って見せた。
意見が通るかと思いきや、そんなことは無く。
「優秀な人材はちゃんと使わなければな」
なんて笑顔で言われてしまった。
さすがにユートの顔が、ナメクジやカエルを知らず踏み潰してしまったような顔になった。
***
こんなやり取りがつい数時間前にあったわけだ。
それを書き込んだ。
スレ民の反応はというと。
■■■
85:名無しの冒険者
目をつけられたな
86:底辺冒険者
大変でござるなぁ
魔眼保持者氏
87:名無しの冒険者
つーか、今更なんだけど
魔眼保持者って、俺たちにカミングアウトしたことはいいんか?
88:魔眼保持者
え、だってここの連中は【王立魔法学園の生徒】じゃないじゃん
俺が飼い主から言われたのは、【ほかの生徒に魔眼保持者ってバレるな】っことだから
だから大丈夫
89:名無しの冒険者
うわぁ、屁理屈
90:名無しの冒険者
大丈夫、とは??
91:魔眼保持者
まぁ、報告はここまでにして
これ見てくれwww
つ【生徒会からの仕事の書類】
92:名無しの冒険者
これ、社外秘ならぬ校外秘になるやつなんじゃ
93:名無しの冒険者
なにこの書類
94:魔眼保持者
仕事しろってさ
会長から渡された
せっかく力を持ってるんだから、使え、だと
ダリィ、めんどくせぇ
95:名無しの冒険者
>>94
でも、それをわざわざスレを立ててまで晒してる、と
本音は?
96:魔眼保持者
実況すっぞ野郎どもぉぉぉ!!??
イェ━━━゚(∀)゚━━━イ!!
97:名無しの冒険者
そんなこったろうと思ったよ
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