【謎解き】孤島の殺人事件に興味ある人、この指とーまれ(●´ω`●)【してみない??】

一樹

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出題編っぽいもの

【芳賀 美奈】の遺書

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【四日目】

 お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
 ごめんなさい。
 先立つ不幸を許してください。
 私は、もうあと一日だってこうして生きていたくありません。
 理由は、私の書いた日記を読めば理解してくれることでしょう。
 私は、私だけが、今この島で生き残っているのです。
 嘘をついてごめんなさい。
 どうして、あんなに意地になってお金に執着していたのだろう、と改めて考えています。
 けれど、それももう終わりです。

 もう一度書きますが、何故なら今、この島で生き残っているのは私だけなのです。
 いえ、この惨状を作り上げた犯人がどこかに隠れているのでしょうが、どちらにせよ、私に残された運命は殺人鬼の手で殺されるか、もしくは自ら命を絶つかの二択しかないのです。
 とうてい、生き残れやしないと察してしまいました。

 一日、たった一日、私は割り振られた部屋に引きこもっていました。
 ショッキングなことがあったんです。
 由美さんまでもが殺されてしまったんです。

 きっとあの日記を読んでいるのなら、なんのことか理解してくれるはずです。

 私は、殺されたくない。
 殺されるくらいなら、自ら命を絶ちます。
 毒を盛られて苦しむのはゴメンだからです。
 由美さんのように、滅多刺しも嫌です。
 顔を耕されるのも、嫌です。
 ワタベのように、首を切り取られるのも嫌です。

 そう、ついにワタべまで殺されてしまいました。
 四日目の朝、つまりは今日、つい先程のことです。
 私は、外の荒れ狂う風の音で目を覚ましました。
 そして、部屋に備え付けられていた机に置かれた、彼の生首を見つけたのです。
 あまりの光景に泣き叫びました。
 けれど、誰も来てくれませんでした。
 それで、全てを察してしまったのです。
 みんな、殺されてしまったのだと。

 あのように弄ばれ、まるで小さい子供が玩具の人形にするように、壊されるくらいなら、せめて自ら死にたいのです。

 いえ、その選択肢すら犯人が用意した2択でした。
 私の部屋、その中央には昔ニュースで見た絞首刑のための、太い縄が輪っか、それを真似た物が下がりブラブラ揺れているのです。
 その輪が、とても魅力的に見えました。
 これは、この選択肢は犯人の情けなのでしょうか?
 わかりません。

 でも。

 どうか、どうか、許して。
 もう、明日まで待てないの。
 怖くて怖くて、こんなのが明日まで続くなんて耐えられない。
 仮に耐えられたとしても、私は私のままお母さん達の待つ家に帰る自信がないの。
 本当にごめんなさい、

 さようなら。

 今まで育ててくれて、ありがとう、大好きだよ。
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