16 / 26
出題編っぽいもの
【芳賀 美奈】の遺書
しおりを挟む
【四日目】
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
ごめんなさい。
先立つ不幸を許してください。
私は、もうあと一日だってこうして生きていたくありません。
理由は、私の書いた日記を読めば理解してくれることでしょう。
私は、私だけが、今この島で生き残っているのです。
嘘をついてごめんなさい。
どうして、あんなに意地になってお金に執着していたのだろう、と改めて考えています。
けれど、それももう終わりです。
もう一度書きますが、何故なら今、この島で生き残っているのは私だけなのです。
いえ、この惨状を作り上げた犯人がどこかに隠れているのでしょうが、どちらにせよ、私に残された運命は殺人鬼の手で殺されるか、もしくは自ら命を絶つかの二択しかないのです。
とうてい、生き残れやしないと察してしまいました。
一日、たった一日、私は割り振られた部屋に引きこもっていました。
ショッキングなことがあったんです。
由美さんまでもが殺されてしまったんです。
きっとあの日記を読んでいるのなら、なんのことか理解してくれるはずです。
私は、殺されたくない。
殺されるくらいなら、自ら命を絶ちます。
毒を盛られて苦しむのはゴメンだからです。
由美さんのように、滅多刺しも嫌です。
顔を耕されるのも、嫌です。
ワタベのように、首を切り取られるのも嫌です。
そう、ついにワタべまで殺されてしまいました。
四日目の朝、つまりは今日、つい先程のことです。
私は、外の荒れ狂う風の音で目を覚ましました。
そして、部屋に備え付けられていた机に置かれた、彼の生首を見つけたのです。
あまりの光景に泣き叫びました。
けれど、誰も来てくれませんでした。
それで、全てを察してしまったのです。
みんな、殺されてしまったのだと。
あのように弄ばれ、まるで小さい子供が玩具の人形にするように、壊されるくらいなら、せめて自ら死にたいのです。
いえ、その選択肢すら犯人が用意した2択でした。
私の部屋、その中央には昔ニュースで見た絞首刑のための、太い縄が輪っか、それを真似た物が下がりブラブラ揺れているのです。
その輪が、とても魅力的に見えました。
これは、この選択肢は犯人の情けなのでしょうか?
わかりません。
でも。
どうか、どうか、許して。
もう、明日まで待てないの。
怖くて怖くて、こんなのが明日まで続くなんて耐えられない。
仮に耐えられたとしても、私は私のままお母さん達の待つ家に帰る自信がないの。
本当にごめんなさい、
さようなら。
今まで育ててくれて、ありがとう、大好きだよ。
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
ごめんなさい。
先立つ不幸を許してください。
私は、もうあと一日だってこうして生きていたくありません。
理由は、私の書いた日記を読めば理解してくれることでしょう。
私は、私だけが、今この島で生き残っているのです。
嘘をついてごめんなさい。
どうして、あんなに意地になってお金に執着していたのだろう、と改めて考えています。
けれど、それももう終わりです。
もう一度書きますが、何故なら今、この島で生き残っているのは私だけなのです。
いえ、この惨状を作り上げた犯人がどこかに隠れているのでしょうが、どちらにせよ、私に残された運命は殺人鬼の手で殺されるか、もしくは自ら命を絶つかの二択しかないのです。
とうてい、生き残れやしないと察してしまいました。
一日、たった一日、私は割り振られた部屋に引きこもっていました。
ショッキングなことがあったんです。
由美さんまでもが殺されてしまったんです。
きっとあの日記を読んでいるのなら、なんのことか理解してくれるはずです。
私は、殺されたくない。
殺されるくらいなら、自ら命を絶ちます。
毒を盛られて苦しむのはゴメンだからです。
由美さんのように、滅多刺しも嫌です。
顔を耕されるのも、嫌です。
ワタベのように、首を切り取られるのも嫌です。
そう、ついにワタべまで殺されてしまいました。
四日目の朝、つまりは今日、つい先程のことです。
私は、外の荒れ狂う風の音で目を覚ましました。
そして、部屋に備え付けられていた机に置かれた、彼の生首を見つけたのです。
あまりの光景に泣き叫びました。
けれど、誰も来てくれませんでした。
それで、全てを察してしまったのです。
みんな、殺されてしまったのだと。
あのように弄ばれ、まるで小さい子供が玩具の人形にするように、壊されるくらいなら、せめて自ら死にたいのです。
いえ、その選択肢すら犯人が用意した2択でした。
私の部屋、その中央には昔ニュースで見た絞首刑のための、太い縄が輪っか、それを真似た物が下がりブラブラ揺れているのです。
その輪が、とても魅力的に見えました。
これは、この選択肢は犯人の情けなのでしょうか?
わかりません。
でも。
どうか、どうか、許して。
もう、明日まで待てないの。
怖くて怖くて、こんなのが明日まで続くなんて耐えられない。
仮に耐えられたとしても、私は私のままお母さん達の待つ家に帰る自信がないの。
本当にごめんなさい、
さようなら。
今まで育ててくれて、ありがとう、大好きだよ。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説

魔法使いが死んだ夜
ねこしゃけ日和
ミステリー
一時は科学に押されて存在感が低下した魔法だが、昨今の技術革新により再び脚光を浴びることになった。
そんな中、ネルコ王国の王が六人の優秀な魔法使いを招待する。彼らは国に貢献されるアイテムを所持していた。
晩餐会の前日。招かれた古城で六人の内最も有名な魔法使い、シモンが部屋の外で死体として発見される。
死んだシモンの部屋はドアも窓も鍵が閉められており、その鍵は室内にあった。
この謎を解くため、国は不老不死と呼ばれる魔法使い、シャロンが呼ばれた。
彼女が愛した彼は
朝飛
ミステリー
美しく妖艶な妻の朱海(あけみ)と幸せな結婚生活を送るはずだった真也(しんや)だが、ある時を堺に朱海が精神を病んでしまい、苦痛に満ちた結婚生活へと変わってしまった。
朱海が病んでしまった理由は何なのか。真相に迫ろうとする度に謎が深まり、、、。
この欠け落ちた匣庭の中で 終章―Dream of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
ーーこれが、匣の中だったんだ。
二〇一八年の夏。廃墟となった満生台を訪れたのは二人の若者。
彼らもまた、かつてGHOSTの研究によって運命を弄ばれた者たちだった。
信号領域の研究が展開され、そして壊れたニュータウン。終焉を迎えた現実と、終焉を拒絶する仮想。
歪なる領域に足を踏み入れる二人は、果たして何か一つでも、その世界に救いを与えることが出来るだろうか。
幻想、幻影、エンケージ。
魂魄、領域、人類の進化。
802部隊、九命会、レッドアイ・オペレーション……。
さあ、あの光の先へと進んでいこう。たとえもう二度と時計の針が巻き戻らないとしても。
私たちの駆け抜けたあの日々は確かに満ち足りていたと、懐かしめるようになるはずだから。

後宮生活困窮中
真魚
ミステリー
一、二年前に「祥雪華」名義でこちらのサイトに投降したものの、完結後に削除した『後宮生活絶賛困窮中 ―めざせ媽祖大祭』のリライト版です。ちなみに前回はジャンル「キャラ文芸」で投稿していました。
このリライト版は、「真魚」名義で「小説家になろう」にもすでに投稿してあります。
以下あらすじ
19世紀江南~ベトナムあたりをイメージした架空の王国「双樹下国」の後宮に、あるとき突然金髪の「法狼機人」の正后ジュヌヴィエーヴが嫁いできます。
一夫一妻制の文化圏からきたジュヌヴィエーヴは一夫多妻制の後宮になじめず、結局、後宮を出て新宮殿に映ってしまいます。
結果、困窮した旧後宮は、年末の祭の費用の捻出のため、経理を担う高位女官である主計判官の趙雪衣と、護衛の女性武官、武芸妓官の蕎月牙を、海辺の交易都市、海都へと派遣します。しかし、その最中に、新宮殿で正后ジュヌヴィエーヴが毒殺されかけ、月牙と雪衣に、身に覚えのない冤罪が着せられてしまいます。
逃亡女官コンビが冤罪を晴らすべく身を隠して奔走します。

【完結】共生
ひなこ
ミステリー
高校生の少女・三崎有紗(みさき・ありさ)はアナウンサーである母・優子(ゆうこ)が若い頃に歌手だったことを封印し、また歌うことも嫌うのを不審に思っていた。
ある日有紗の歌声のせいで、優子に異変が起こる。
隠された母の過去が、二十年の時を経て明らかになる?
授業
高木解緒 (たかぎ ときお)
ミステリー
2020年に投稿した折、すべて投稿して完結したつもりでおりましたが、最終章とその前の章を投稿し忘れていたことに2024年10月になってやっと気が付きました。覗いてくださった皆様、誠に申し訳ありませんでした。
中学校に入学したその日〝私〟は最高の先生に出会った――、はずだった。学校を舞台に綴る小編ミステリ。
※ この物語はAmazonKDPで販売している作品を投稿用に改稿したものです。
※ この作品はセンシティブなテーマを扱っています。これは作品の主題が実社会における問題に即しているためです。作品内の事象は全て実際の人物、組織、国家等になんら関りはなく、また断じて非法行為、反倫理、人権侵害を推奨するものではありません。
【改稿版】 凛と嵐 【完結済】
みやこ嬢
ミステリー
【2023年3月完結、2024年2月大幅改稿】
心を読む少女、凛。
霊が視える男、嵐。
2人は駅前の雑居ビル内にある小さな貸事務所で依頼者から相談を受けている。稼ぐためではなく、自分たちの居場所を作るために。
交通事故で我が子を失った母親。
事故物件を借りてしまった大学生。
周囲の人間が次々に死んでゆく青年。
別々の依頼のはずが、どこかで絡み合っていく。2人は能力を駆使して依頼者の悩みを解消できるのか。
☆☆☆
改稿前 全34話→大幅改稿後 全43話
登場人物&エピソードをプラスしました!
投稿漫画にて『りんとあらし 4コマ版』公開中!
第6回ホラー・ミステリー小説大賞では最終順位10位でした泣
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる