2 / 23
ハジマリの話
中編
しおりを挟む
あれよあれよという間に連れてこられたのは、よくわからない建物の中だった。
聞けば、ここは今までウカノがいた世界ではないらしい。
異世界というらしい。
ピンクは、それらについて懇切丁寧に説明してくれた。
何が起きたのか。
何に、彼が巻き込まれてしまったのか。
黒と馬はどっかに行ってしまった。
それによると、やはり世界は壊れてしまったらしい。
ウカノが生きてきた、世界は滅んでしまったらしい。
そして、滅んだ世界は一つだけでは無いらしい。
ピンクの話だと、世界はそれこそ無限にあるのだと言う。
その、無限にある世界がいま次々壊されているのだという。
「外つ神、外来種。
まぁ、色々言い方はあるけど。
つまりはその侵攻を直に受けたってこった」
ピンクは雑にまとめた。
「お前がいた世界じゃ、どうにも最初の攻撃で殆どのやつが死んだ。
生き残った奴は、今のところお前以外確認できていない。
これは、他の調査員の報告待ちだ」
それだけ、敵が強いのだという。
最初の侵攻、攻撃で人類は滅亡した。
世界に毒が撒かれたのだという。。
さて、なぜそんなことがわかるのかと言うと。
他の世界がこうして壊れて滅んだからだ。
それを調査したからだ。
他の世界で、生存者をみつけたからだ。
そして、なによりも。
「あとは、渡航者から情報提供があったからなんだ」
「とこうしゃ??」
「簡単に言うと、いろんな世界を巡って自分の居場所を探す、旅人だな。
そいつらが、自分の探しあてた居場所が滅んだって訴えて来たんだ」
それによるとほかの世界では、最初の侵攻で人類の九割が死んだのだという。
残りの一割はあっという間に掃討されてしまったらしい。
ウカノの世界では無かったが、他の世界ではそれまで存在していた魔物とは別格の、化け物が徘徊するのだという。
とくに、生き残った一割の人類。
これをとくに念入りに、化け物を使って、外来種達は殺したのだという。
「…………」
「お前のいた世界にも、渡航者はいた。
そいつからの通報を受けて、俺たちは駆けつけた。
んで、お前を見つけたってわけだ」
脳の処理が追いつかなかった。
色んな、疑問が巡って。
でも、言葉にできない。
そんなウカノに構わず、ピンクが続けた。
「んでさ、お前、強いんだろ?!」
何故か、不謹慎なほど目をキラキラさせている。
「なにせ、あの世界で唯一の生き残りだからな」
今のところ、はつくが、事実としてはそうなる。
つまり、ほかの世界で言うなら、【強い存在】となる。
ウカノだけが生き残ったことを考えるなら、あの世界で一番強いのはウカノということになる。
「貴女の言う強さがなんなのか、わかりません」
ピンクの言葉に、ウカノは声を絞り出して答えた。
弟たちを守ることすらできなかった。
なにも、できなかった。
でも、生き残ったから強いのだという。
それは何に対しての強さなのか。
それがウカノにはわからなかった。
さっぱり、わからなかった。
「んー、そりゃ毒に対する強さとか色々だ。
でも」
そこでピンクは言葉を切った。
そのことに、ウカノは顔を上げた。
ピンクが真っ直ぐにウカノを見つめている。
まるで、視線で射抜くかのように。
「たぶん1番の理由は、お前が先祖返りだったからじゃないかなと思うんだよ」
「は?」
「まぁ、詳しくはこれから身体検査してからだけど。
そういうパターン多いよ。
多分だけど、お前の御先祖に、世界を作った神様がいる。
仮にこれを初代とすると。
お前、その初代の先祖返りなんだと思う」
聞けば、ここは今までウカノがいた世界ではないらしい。
異世界というらしい。
ピンクは、それらについて懇切丁寧に説明してくれた。
何が起きたのか。
何に、彼が巻き込まれてしまったのか。
黒と馬はどっかに行ってしまった。
それによると、やはり世界は壊れてしまったらしい。
ウカノが生きてきた、世界は滅んでしまったらしい。
そして、滅んだ世界は一つだけでは無いらしい。
ピンクの話だと、世界はそれこそ無限にあるのだと言う。
その、無限にある世界がいま次々壊されているのだという。
「外つ神、外来種。
まぁ、色々言い方はあるけど。
つまりはその侵攻を直に受けたってこった」
ピンクは雑にまとめた。
「お前がいた世界じゃ、どうにも最初の攻撃で殆どのやつが死んだ。
生き残った奴は、今のところお前以外確認できていない。
これは、他の調査員の報告待ちだ」
それだけ、敵が強いのだという。
最初の侵攻、攻撃で人類は滅亡した。
世界に毒が撒かれたのだという。。
さて、なぜそんなことがわかるのかと言うと。
他の世界がこうして壊れて滅んだからだ。
それを調査したからだ。
他の世界で、生存者をみつけたからだ。
そして、なによりも。
「あとは、渡航者から情報提供があったからなんだ」
「とこうしゃ??」
「簡単に言うと、いろんな世界を巡って自分の居場所を探す、旅人だな。
そいつらが、自分の探しあてた居場所が滅んだって訴えて来たんだ」
それによるとほかの世界では、最初の侵攻で人類の九割が死んだのだという。
残りの一割はあっという間に掃討されてしまったらしい。
ウカノの世界では無かったが、他の世界ではそれまで存在していた魔物とは別格の、化け物が徘徊するのだという。
とくに、生き残った一割の人類。
これをとくに念入りに、化け物を使って、外来種達は殺したのだという。
「…………」
「お前のいた世界にも、渡航者はいた。
そいつからの通報を受けて、俺たちは駆けつけた。
んで、お前を見つけたってわけだ」
脳の処理が追いつかなかった。
色んな、疑問が巡って。
でも、言葉にできない。
そんなウカノに構わず、ピンクが続けた。
「んでさ、お前、強いんだろ?!」
何故か、不謹慎なほど目をキラキラさせている。
「なにせ、あの世界で唯一の生き残りだからな」
今のところ、はつくが、事実としてはそうなる。
つまり、ほかの世界で言うなら、【強い存在】となる。
ウカノだけが生き残ったことを考えるなら、あの世界で一番強いのはウカノということになる。
「貴女の言う強さがなんなのか、わかりません」
ピンクの言葉に、ウカノは声を絞り出して答えた。
弟たちを守ることすらできなかった。
なにも、できなかった。
でも、生き残ったから強いのだという。
それは何に対しての強さなのか。
それがウカノにはわからなかった。
さっぱり、わからなかった。
「んー、そりゃ毒に対する強さとか色々だ。
でも」
そこでピンクは言葉を切った。
そのことに、ウカノは顔を上げた。
ピンクが真っ直ぐにウカノを見つめている。
まるで、視線で射抜くかのように。
「たぶん1番の理由は、お前が先祖返りだったからじゃないかなと思うんだよ」
「は?」
「まぁ、詳しくはこれから身体検査してからだけど。
そういうパターン多いよ。
多分だけど、お前の御先祖に、世界を作った神様がいる。
仮にこれを初代とすると。
お前、その初代の先祖返りなんだと思う」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
【無双】底辺農民学生の頑張り物語【してみた】
一樹
ファンタジー
貧乏農民出身、現某農業高校に通うスレ主は、休憩がてら息抜きにひょんなことから、名門校の受験をすることになった顛末をスレ立てをして語り始めた。
わりと強いはずの主人公がズタボロになります。
四肢欠損描写とか出てくるので、苦手な方はご注意を。
小説家になろうでも投稿しております。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
姫騎士様と二人旅、何も起きないはずもなく……
踊りまんぼう
ファンタジー
主人公であるセイは異世界転生者であるが、地味な生活を送っていた。 そんな中、昔パーティを組んだことのある仲間に誘われてとある依頼に参加したのだが……。 *表題の二人旅は第09話からです
(カクヨム、小説家になろうでも公開中です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる