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「それじゃ、お疲れ様でした」 

新太ことシャーロットは付き合ってくれた2人へそう声をかけた。

「お疲れ様でした」

「お疲れ様です」

2人もそう返してくれた。
パーティ設定を解除する。

「神官クエストはエトルリアに付き合ってメインしかやってこなかったので、参加出来てよかったです。
ありがとうございました」

ロロピカルの言葉に、シャーロットは頭を下げつつ、

「こちらこそ、一緒に遊べて楽しかったです。
ありがとうございました」

そう返す。
ロロピカルは、それからすぐにログアウトした。
それからシャーロットは、ルリアにもお礼を伝える。

「そ、その、あの、えと」

ルリアが、言葉を選びながらシャーロットを見る。

「はい?」

「こ、怖がらせるようなことしてごめんなさい。
人づてじゃなくて、その、ちゃんと、謝りたかったから」

「あ、あぁ、初見の時のことですか?
別に気にしないでください。
こちらもゲームに不慣れでどうしていいかわからなかったので」

「き、きょうは、クエスト誘ってくれてありがとう」

「こちらこそ、一緒に遊べて楽しかったです。
ありがとうございました」

そんなやり取りの後、シャーロットとルリアもログアウトした。
ヘルメットを取って、新太は息を吐き出した。

「緊張したぁ……」

とくに、エトルリアの名前を何度も言い間違えそうになったのだ。
彼女は、怪しむ様子は無かったのが幸いだった。
もし指摘されたら、似た名前のプレイヤーが知りあいにいるのだ、と嘘ではない範囲で説明しようと思っている。

「楽しいゲームライフを、か」

このゲームを勧めてくれた、スレ民の書き込みが蘇る。
楽しく遊ぶには、ある程度の線引きが必要だと新太は思っている。
誰しもズカズカと自分のテリトリーに入ってきて欲しくはないものだ。

「まぁ、楽しかったからいいか」

妙な緊張感はあったけど、それはそれで楽しかった。
新太はそう結論づけたのだった。
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