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二年生になりました(笑)
裏話9
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その後、とりあえずディアナの様子を見にいった。
向かうは図書室だ。
ブランも一緒である。
ノームには帰ってもらった。
図書室に入ると、まばらだが人がいた。
受付のカウンターにはエルリーの姿があった。
「ディアナちゃんは、隅っこにいるよ」
それだけ教えてもらった。
正直、それだけでわかったからだ。
昼間、雑談をした一番奥の本棚、その陰。
そこに行くと、オススメしたラノベを読むディアナがいた。
ふと、そこでブランを振り返るとなにやらエルリーと揉めているのがみえた。
図書室という場所の性質上、声は抑え気味なのでなにを話しているのかはわからない。
それはともかく、
「ディアナ」
俺はディアナの名前を呼んでみる。
ディアナはすぐに顔をパッと上げて、こちらを見てきた。
「あ!先輩!!」
「あの白衣には虐められなかったか?」
冗談めかして、聞いてみる。
すると、ディアナは苦笑して説明してきた。
「あー、はい。
実はあの先生苦手なんですよ」
うん、見ればわかる。
「っていうのも、なんか目の敵にされてるらしくて。
入学して最初の頃にチクチクネチネチと、授業で当てられて吊し上げされたことが何回もあって。
またそれをされるんじゃないかって怖かったんですけど、さっきはそんなことなかったんで、終わった後ホッとしましたぁ!」
「そうか」
「あ、あ、それでですね!
とりあえず、生徒会長さんからも色々やってもらったらしくて、色々改善されるらしいんで、なんとかなりそうです!」
「そりゃ、良かった」
「それもこれも先輩のお陰です。
ありがとうございました!
先輩もなにか困ったことがあったら、私に遠慮なく言ってください。
必ずこの恩と一緒に返すんで!!」
「大袈裟だなぁ」
なんてやりとりをして、この日は終わった。
この後、ディアナはエルリーの部屋に世話になるらしい。
とりあえず、ディアナは小説の続きが気になってそわそわしていたので、そのまま別れた。
受付に行くと、いまだにエルリーとブランはなにやら言い争っていた。
「だから!そういうことは俺たちにも言えよ!!」
「そんなこと言われても、てっきり知ってると思ったんだもん」
「で、二人でケーキ食うとか狡いだろ!」
あー、ケーキの事で喧嘩してたのか。
「二人じゃないよ!
ディアナちゃんも一緒だったし!」
そこで、俺は口を挟んだ。
「エルリーのケーキ美味しかったぞ?
お前の分もちゃんと貰ってるから、あとで渡すからさ。
そんなことでエルリーのこと怒るなよ」
ブランがこっちを見た。
しかし、すぐに顔を赤くして、
「け、ケーキのことだけじゃなくて!!」
と、そこでエルリーが悪戯を思いついたような笑みを浮かべると、
「ブラン君は、大好きなヤマト君を私が独り占めしちゃったと思って妬いてるんだよねー」
なんて言ってきた。
言い方はアレだが、つまりからかいはじめた。
それがわかったので、俺も乗っかる。
「そうかそうか、ブランは優しいし俺の事大好きだもんなぁ。
寂しかったかぁ、そうかぁ」
ブランがプルプルと顔は赤いままに、体をふるわせ始める。
からかわれているとわかったのだ。
「だから!そういうこと言うなぁー!」
***
まず人の来ない、空き教室。
そこで、その男は携帯で誰かと通話していた。
「えぇ、接触しましたよ。
本当に貴方様と、瓜二つで驚きました。
えぇ、えぇ、わかってますよ。
……はい??」
途中で男の声が、驚きではねた。
「それは、また。
いえ、了解しました。
えぇ、健康診断の結果も閲覧出来ました。
健康そのものですよ。
はい、はい。
え??
よろしいので??
わかりました。
そういうことでしたら、予定よりは早いですが、あの人形の出番といきましょう。
えぇ、彼は、ヤマト・ディケは、あの人形にとても心を砕いておりますよ」
そう伝えると、携帯の向こうから嘲笑が聞こえてきた。
心底バカにする笑い声だ。
「きっと、命を懸けて守ると思いますよ」
男はその考えに自信があった。
なぜなら、ヤマト・ディケの情報をある程度集めていたからだ。
去年、ヤマト・ディケはほぼ交流のなかった同学年、同級生の者を守ろうと身を呈して頑張り、大怪我を負っている。
また、とある遭難事故の際も死に急いでいるのか?
と疑問をもつほど、その身を粉にして働き片腕と片足を失っている。
彼ら屯田兵の生まれ持っての性質を鑑みたとしても、これは異常な行動だった。
だから、それを利用するのだ。
そして、手に入れなければならない。
ヤマト・ディケは、彼の主人にとって必要不可欠な物を持っているのだから。
男がわざわざ、命令とはいえ仕えるべき主人の元を離れ、穢らわしく、そして弱々しい人間領までやってきた理由の一つがそれだった。
本当は、主人自らこちらにやってきて、ヤマト・ディケに対して手を下す予定だったが、それが変更になった。
別の者が派遣されてくるらしい。
主人とともに行動できないのは、残念だ。
しかし、仕方ない。
主人にとって、こちらの空気は毒でしかないのだ。
しかし、ヤマト・ディケの所有している物を手に入れれば、それさえも主人は克服し、またひとつ覇道へと歩を進めることが可能になる。
「では、手筈を整えておきます」
男がそう言うと、主人から労いの言葉が掛けられる。
それだけで、彼はうっとりとした、まさに恍惚とした表情になる。
通話を切り、幸せを噛み締める。
そして、視線を窓の外へと向けた。
そこには生徒玄関がよく見えた。
そこからちょうど出てくる、ヤマト・ディケの姿もよく見えた。
窓から差し込む太陽光に、男の姿が照らされる。
それは、あの白衣の教師だった。
校内のどこかへ向かおうとするヤマト・ディケを憎々しく見つめる。
主の心の中の大部分を占める、彼のことが憎くてたまらない。
だからこそ、彼を始末しなければならない。
彼の所有する物を手に入れて、そして、始末しなければならない。
その視線に気づいたのか、ヤマトがこちらを振り返った。
ここは三階なので、向こうからは見上げる形になる。
しかし、すぐにヤマトは首を傾げつつどこかへと行ってしまった。
向かうは図書室だ。
ブランも一緒である。
ノームには帰ってもらった。
図書室に入ると、まばらだが人がいた。
受付のカウンターにはエルリーの姿があった。
「ディアナちゃんは、隅っこにいるよ」
それだけ教えてもらった。
正直、それだけでわかったからだ。
昼間、雑談をした一番奥の本棚、その陰。
そこに行くと、オススメしたラノベを読むディアナがいた。
ふと、そこでブランを振り返るとなにやらエルリーと揉めているのがみえた。
図書室という場所の性質上、声は抑え気味なのでなにを話しているのかはわからない。
それはともかく、
「ディアナ」
俺はディアナの名前を呼んでみる。
ディアナはすぐに顔をパッと上げて、こちらを見てきた。
「あ!先輩!!」
「あの白衣には虐められなかったか?」
冗談めかして、聞いてみる。
すると、ディアナは苦笑して説明してきた。
「あー、はい。
実はあの先生苦手なんですよ」
うん、見ればわかる。
「っていうのも、なんか目の敵にされてるらしくて。
入学して最初の頃にチクチクネチネチと、授業で当てられて吊し上げされたことが何回もあって。
またそれをされるんじゃないかって怖かったんですけど、さっきはそんなことなかったんで、終わった後ホッとしましたぁ!」
「そうか」
「あ、あ、それでですね!
とりあえず、生徒会長さんからも色々やってもらったらしくて、色々改善されるらしいんで、なんとかなりそうです!」
「そりゃ、良かった」
「それもこれも先輩のお陰です。
ありがとうございました!
先輩もなにか困ったことがあったら、私に遠慮なく言ってください。
必ずこの恩と一緒に返すんで!!」
「大袈裟だなぁ」
なんてやりとりをして、この日は終わった。
この後、ディアナはエルリーの部屋に世話になるらしい。
とりあえず、ディアナは小説の続きが気になってそわそわしていたので、そのまま別れた。
受付に行くと、いまだにエルリーとブランはなにやら言い争っていた。
「だから!そういうことは俺たちにも言えよ!!」
「そんなこと言われても、てっきり知ってると思ったんだもん」
「で、二人でケーキ食うとか狡いだろ!」
あー、ケーキの事で喧嘩してたのか。
「二人じゃないよ!
ディアナちゃんも一緒だったし!」
そこで、俺は口を挟んだ。
「エルリーのケーキ美味しかったぞ?
お前の分もちゃんと貰ってるから、あとで渡すからさ。
そんなことでエルリーのこと怒るなよ」
ブランがこっちを見た。
しかし、すぐに顔を赤くして、
「け、ケーキのことだけじゃなくて!!」
と、そこでエルリーが悪戯を思いついたような笑みを浮かべると、
「ブラン君は、大好きなヤマト君を私が独り占めしちゃったと思って妬いてるんだよねー」
なんて言ってきた。
言い方はアレだが、つまりからかいはじめた。
それがわかったので、俺も乗っかる。
「そうかそうか、ブランは優しいし俺の事大好きだもんなぁ。
寂しかったかぁ、そうかぁ」
ブランがプルプルと顔は赤いままに、体をふるわせ始める。
からかわれているとわかったのだ。
「だから!そういうこと言うなぁー!」
***
まず人の来ない、空き教室。
そこで、その男は携帯で誰かと通話していた。
「えぇ、接触しましたよ。
本当に貴方様と、瓜二つで驚きました。
えぇ、えぇ、わかってますよ。
……はい??」
途中で男の声が、驚きではねた。
「それは、また。
いえ、了解しました。
えぇ、健康診断の結果も閲覧出来ました。
健康そのものですよ。
はい、はい。
え??
よろしいので??
わかりました。
そういうことでしたら、予定よりは早いですが、あの人形の出番といきましょう。
えぇ、彼は、ヤマト・ディケは、あの人形にとても心を砕いておりますよ」
そう伝えると、携帯の向こうから嘲笑が聞こえてきた。
心底バカにする笑い声だ。
「きっと、命を懸けて守ると思いますよ」
男はその考えに自信があった。
なぜなら、ヤマト・ディケの情報をある程度集めていたからだ。
去年、ヤマト・ディケはほぼ交流のなかった同学年、同級生の者を守ろうと身を呈して頑張り、大怪我を負っている。
また、とある遭難事故の際も死に急いでいるのか?
と疑問をもつほど、その身を粉にして働き片腕と片足を失っている。
彼ら屯田兵の生まれ持っての性質を鑑みたとしても、これは異常な行動だった。
だから、それを利用するのだ。
そして、手に入れなければならない。
ヤマト・ディケは、彼の主人にとって必要不可欠な物を持っているのだから。
男がわざわざ、命令とはいえ仕えるべき主人の元を離れ、穢らわしく、そして弱々しい人間領までやってきた理由の一つがそれだった。
本当は、主人自らこちらにやってきて、ヤマト・ディケに対して手を下す予定だったが、それが変更になった。
別の者が派遣されてくるらしい。
主人とともに行動できないのは、残念だ。
しかし、仕方ない。
主人にとって、こちらの空気は毒でしかないのだ。
しかし、ヤマト・ディケの所有している物を手に入れれば、それさえも主人は克服し、またひとつ覇道へと歩を進めることが可能になる。
「では、手筈を整えておきます」
男がそう言うと、主人から労いの言葉が掛けられる。
それだけで、彼はうっとりとした、まさに恍惚とした表情になる。
通話を切り、幸せを噛み締める。
そして、視線を窓の外へと向けた。
そこには生徒玄関がよく見えた。
そこからちょうど出てくる、ヤマト・ディケの姿もよく見えた。
窓から差し込む太陽光に、男の姿が照らされる。
それは、あの白衣の教師だった。
校内のどこかへ向かおうとするヤマト・ディケを憎々しく見つめる。
主の心の中の大部分を占める、彼のことが憎くてたまらない。
だからこそ、彼を始末しなければならない。
彼の所有する物を手に入れて、そして、始末しなければならない。
その視線に気づいたのか、ヤマトがこちらを振り返った。
ここは三階なので、向こうからは見上げる形になる。
しかし、すぐにヤマトは首を傾げつつどこかへと行ってしまった。
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