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第二章 一軒家はモノノケたちのなんなのか

おひるは騒がしい(6)

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 村瀬の少し前の願いは人間と関わりなく生きていく事だった。簡単に言えば煩わしい人間関係のないどこか無人島で暮らす事だった。でも、現実的ではなかった。サバイバル生活なんて出来ないし、ある程度の収入がないと衣食住は賄えない。だから、なんとなく過ごすしかなかった。

 でも、今は人間関係の煩わしさはないところに来てしまった。周りはモノノケだらけで人間は自分ひとり。これって夢が実現したといえるのだろうか? 目の前にいる者たちは異形だけであった。

 「とりあえず、これを持って行って」

 次から次へと出される料理を忙しく持って行ったが、自分の方がメインの料理になるかと勘違いしそうな勢いで出した料理は次々と消えていった。それにしても、あんだけの料理をキキョウ一人が作っているとは信じられなかったが、確かめている余裕はなかった。

 騒がしいお昼が終わると、遅めの食事が出された。ごく普通の食事であったが村瀬からすれば真面であった。

 「なんだか、感動しているみたいですわ」

 「はい、今までお金がなかったので、ある時はカップ麺でなければ何も食べなかったのでお昼は」

 「うれしいわ、よろこんでくれて」

 目の前のキキョウは笑顔であったが、すごく可愛らしいと思った。でも、彼女は妖怪だった。人間の娘だったらよかったのに・・・

 
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