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第一章 引きこもりアラフォーポツンと一軒家に行く
ツクモ神の鍬(1)
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村瀬はツクモ神ってなになのか分からなかった。するとキキョウが鍬を持ってきた。その鍬はサビだらけで赤くなっていて持つところもボロボロで、とてもじゃないけど土どころか砂を耕すことができそうもなかった。
「それって使えるのかい? いくら農作業をしたことなくても使えないって分かるぞ!」
するとキキョウは少しぷんぷんした表情を浮かべていた。
「ボロだろっというのですか! 失礼ですわ! とにかく持ってください! 分かりますから!」
なんだよ、と思ったけど村瀬はしかたないよなという感じで握ってみた。すると鍬が青白く光りだした。そして頭の中にイメージが入って来た。
「お主、わしを何だと思っているんだ?」
どうもそれは鍬から来ているようだった。
「そりゃ、なんなんですか?」
村瀬はボーとしてしまった。何が起きているのか分からなかったからだ。これがライトノベルであったら、勇者がサビだらけの剣を持つと、伝説の剣だったという展開みたいのようなものなのか? たとえばアーサー王のエクスガリバーのような。あっ、あれはライトノベルじゃないって!
「知らねえか。モノを大事に使っていると年月が経過すればツクモ神といって神々しい魂が宿るもんなんだよ。わしは鍬のツクモ神なのさ。もう二百年もここで妖怪のための芋を育てる手伝いをしてきたのさ!」
モノが神になる? 長く使っていると。そんなことあるなんて村瀬は知らなかった。
「あのう、なんとお呼びすればいいんですか? 僕は初めてなんですが、モノがしゃべるなんて」
村瀬は何が起きているのか分からなかった。
「それって使えるのかい? いくら農作業をしたことなくても使えないって分かるぞ!」
するとキキョウは少しぷんぷんした表情を浮かべていた。
「ボロだろっというのですか! 失礼ですわ! とにかく持ってください! 分かりますから!」
なんだよ、と思ったけど村瀬はしかたないよなという感じで握ってみた。すると鍬が青白く光りだした。そして頭の中にイメージが入って来た。
「お主、わしを何だと思っているんだ?」
どうもそれは鍬から来ているようだった。
「そりゃ、なんなんですか?」
村瀬はボーとしてしまった。何が起きているのか分からなかったからだ。これがライトノベルであったら、勇者がサビだらけの剣を持つと、伝説の剣だったという展開みたいのようなものなのか? たとえばアーサー王のエクスガリバーのような。あっ、あれはライトノベルじゃないって!
「知らねえか。モノを大事に使っていると年月が経過すればツクモ神といって神々しい魂が宿るもんなんだよ。わしは鍬のツクモ神なのさ。もう二百年もここで妖怪のための芋を育てる手伝いをしてきたのさ!」
モノが神になる? 長く使っていると。そんなことあるなんて村瀬は知らなかった。
「あのう、なんとお呼びすればいいんですか? 僕は初めてなんですが、モノがしゃべるなんて」
村瀬は何が起きているのか分からなかった。
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