【完結】ワニ女として飼育されて・・・

ジャン・幸田

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一日目

わたしの身体は

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 プールから出たわたしはコンクリートの床の上で口を開けていた。もちろんわたしの口は開けてもワニの口と伝動していても言葉を発することは出来なかった。

 そういえば、昔だったかな動物園のワニをスケッチしようとしたとき、先生に動かない動物を写生しても簡単にできるから動き回る動物にしなさいと言われたことを思い出した。そうだよねえ、ワニは動きが遅いし、野生みたいに獲物を仕留めるために襲い掛かる必要なんかないし。

 しかし、なぜなんだろう。そんな思い出は思い出してもわたしは自分の事が思い出せないのだ。わたしはだれでどこでなにをしていたのだろうか。そういった肝心な事を思い出せなかったのだ。

 また現在になっていたのがわたしの身体がワニの中でどんなふうになっているのだろうかが、気になっていた。よつんばになっているのは町ぎないけど・・・どうして私自分のなまえを思い出せないんだろう。

 そう思って動こうとしても身体の方は重くていう事を利かない、どうなっているのよ!外からは小さな子供の声が聞こえてきた。

 「大きなワニさんが歩いている! でっかくて怖いわね!」

 わたしはワニそのものになっているのは確かだけど、着ぐるみをただ着ているようではないようだ。もしかしてワニの意識がわたしになったというわけなの? 

 答えが出ないままわたしは閉園時間まで展示スペースをウロウロしていたけど、イライラが募っても何も起こらなかった。ワニだから・・・
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