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(2)秘密、見ちゃった!

迷ってしまったの

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 方向音痴のわたしは迷ってしまった。ここはよく似たような建物が格子状の道路に並んでいるから訳がわからなくなってしまった。

 もちろん、建物には番号が書かれているけど初めて見るので意味が判らなかった。むかし判らなくなったら太陽を見て方向を確認しなさい、なんていわれたことがあったけど、曇っているのでわかりようもなかった。

 このとき、誰かに助けを求めればよかったけど、いくらビジター用IDを持っているとはいえ、勝手に歩いているのはいけないことだから困っていた。ちょうどそのとき私に声をかける人がいた。

 「どうされました。どこに行こうとしているのですか?」

 彼女を見ると・・・人間ではなかった。メタリックなボディをしたガイノイド(女性型アンドロイド)だった。

 「いえ、その迷子になっております。あなたはなんていうのですか?」

 「わたしはマリア式75号といいます作業ロボです。構内の清掃作業をしております。なにか手助けしてさしあげましょうか?」
 
 75号を名乗る作業ロボは白色に青いラインのある綺麗な姿をしていた。身長も170センチぐらいあった。

 「それでは、一番近い詰め所はどこにあります。出来れば案内してほしいのですが」

 わたしは75号にそういったけど、彼女は少し考えてからこういってくれたの。

 「了解いたしました。では私についてきてください」
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