作業ロボにされたわたし

（１）作業ロボ47号稼働開始！

セットアップ

　部長は47号のメンテナンス作業を見守りながら、マリア式専属のエンジニアと雑談していた。次のマリア式の素体にする被験者の候補選考の段取りだった。そのあとで、47号の話題に戻っていた。

　「それにしても47号の素体ってなんですか？　本当にじゃじゃ馬ですよあれは。マリア式作業ロボになっている間は順応だからいいけど」

　「あいつはなあわが社の裏稼業の秘密を知ってしまったんだ。本当なら産業スパイとして司直の手にゆだねるべきだろうが、その秘密は違法行為だからな」

　「違法、といってもこのマリア式も違法じゃないですか。なんだって半ば騙して女を機械化素体に洗脳していくのですから」

　「そうだよなあ。でも君ってそれでメシを食っているんだろ？　それなら続く方がいいじゃないか。それに女体を機械にするのが好きなんだろ？」
　
　「そうです、好きですよ。だから続けているのですよこの仕事を」

　二人の目の前ではまだ47号が暴れていた。まだ十九歳というのに異様な姿にされて気持ち良い人間なんていないはずだからだ。

　「そろそろセットアップしますか？　47号の洗脳プログラミングを」

　「そうだなあ、四日目だから初めても問題ないだろう！　それじゃあ承認するから始めたまえ」

　そういうと、部長は自分の首にかけていたIDカードをシステムにかざした。これで47号の洗脳プログラミングのセットアップが始った。