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アシャンの部屋探し!
(18)婆伴天聯の女主人
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取りあえず喫茶・婆伴天聯に入ってみる事にした。喫茶店は離れのようになっていたが、廊下でつながっているような気がした。壁にはツタが絡まりブロックにコケむしていた。恐る恐る中を見ると・・・いたって普通の喫茶店だった。ただ壁紙は長年のタバコのヤニがこびりついて変色していて、部屋の中の観葉植物も幹や枝が複雑に絡み合っていて年季が入っているようだった。そして音楽はクラシックが流れていた。あまりにも外のオブジェとのギャップが激しかったのであっけに取られてしまった。
「あのう、すいません、紹介で来た者ですが・・・」
すると奥から出てきたのは喫茶店の女マスターではなく魔女のコスプレをした年配の女性だった。
「いらっしゃい! 話は弟から聞いているから。は、はーん、あんたが弟が言っていた人だね」
そういって、魔女は僕に・・・ではなくアシャンの方に近づいていった。訪ねたのは僕なんだけどなぜ?
「あんた女戦士なんだってね、本当かしらん?」
その時のアシャンはドレス姿なのになぜわかったんだろう?
「はいそうです。あなたと同じです」
おいおい、この世界にいないはずだろう! いるとすればファンタジーのはずなのに!
「そうかい、まあ探していたんだよ。うちの物件に入ってもらえるのをな。それじゃあ一つためしてもらえんかしらん。そうそう、そこの付き人も来るように!」
付き人? 僕がアシャンの? レディーファーストという言葉があるので、優先してもらっているかもしれないけどなぜ?
「わかりました。一体何をやるのですか?」
「簡単な事さ、部屋に受け入れてもらえるかを試すんだ。なにせ、受け入れてくれん部屋があるんだよ。うちの物件は!」
そういって婆伴天聯の喫茶店の勝手口から出るとすぐ石造りの建物に案内され、その二階に上がった。途中の内装はまるで監獄もしくはダンジョンのようだった。いったいなんなんだよここは!
「あんたアシャンさんって言ったよね。この部屋には魔物が住んでいるんじゃ。それを懐柔できればいいんだが・・・できれば殺さないでくれよ」
いったいなんのこっちゃ? と思っているとヌイグルミの振りをしていたヨニムがぴょんと僕の肩の上にあがっていった。
「おい、そこの女史! この部屋にいるのは一種の憑き神なんだろ? この土地を守る代わりに部屋を与えているんだろうが、必要なんだろ若い男女のエネルギーが!」
突如現れたヨニムに動じることなく婆伴天聯の女主人は分かる人には分かるんだねと言った表情でこんなことを言い出した。
「ええ、そうよ。長年待っていたんだから、そちらのようなカップルを。女が勇者で男が従士のようなのを。まあ、入れば分かるさ説明するのも面倒だから!」
やっぱり僕は従士にしかみえないんだと諦めの境地だった。
「あのう、すいません、紹介で来た者ですが・・・」
すると奥から出てきたのは喫茶店の女マスターではなく魔女のコスプレをした年配の女性だった。
「いらっしゃい! 話は弟から聞いているから。は、はーん、あんたが弟が言っていた人だね」
そういって、魔女は僕に・・・ではなくアシャンの方に近づいていった。訪ねたのは僕なんだけどなぜ?
「あんた女戦士なんだってね、本当かしらん?」
その時のアシャンはドレス姿なのになぜわかったんだろう?
「はいそうです。あなたと同じです」
おいおい、この世界にいないはずだろう! いるとすればファンタジーのはずなのに!
「そうかい、まあ探していたんだよ。うちの物件に入ってもらえるのをな。それじゃあ一つためしてもらえんかしらん。そうそう、そこの付き人も来るように!」
付き人? 僕がアシャンの? レディーファーストという言葉があるので、優先してもらっているかもしれないけどなぜ?
「わかりました。一体何をやるのですか?」
「簡単な事さ、部屋に受け入れてもらえるかを試すんだ。なにせ、受け入れてくれん部屋があるんだよ。うちの物件は!」
そういって婆伴天聯の喫茶店の勝手口から出るとすぐ石造りの建物に案内され、その二階に上がった。途中の内装はまるで監獄もしくはダンジョンのようだった。いったいなんなんだよここは!
「あんたアシャンさんって言ったよね。この部屋には魔物が住んでいるんじゃ。それを懐柔できればいいんだが・・・できれば殺さないでくれよ」
いったいなんのこっちゃ? と思っているとヌイグルミの振りをしていたヨニムがぴょんと僕の肩の上にあがっていった。
「おい、そこの女史! この部屋にいるのは一種の憑き神なんだろ? この土地を守る代わりに部屋を与えているんだろうが、必要なんだろ若い男女のエネルギーが!」
突如現れたヨニムに動じることなく婆伴天聯の女主人は分かる人には分かるんだねと言った表情でこんなことを言い出した。
「ええ、そうよ。長年待っていたんだから、そちらのようなカップルを。女が勇者で男が従士のようなのを。まあ、入れば分かるさ説明するのも面倒だから!」
やっぱり僕は従士にしかみえないんだと諦めの境地だった。
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