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ミズタマリからの誘惑
転章:変化
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自分ら三人の着ていた水着が変わっているように見えたのだ。先ほどまで女用のスクール水着か競泳用水着かとおもっていたが、どうやらいつの間にか全身を覆っていたのだ。
「水着だと思っていたけど、なんでレオタードのようになっているんかよ? なんか気持ち悪いけん、はよう脱ごうぜ!」
そういって脱ごうとしたが、まるで皮膚の一部にでもなったかのように肌に密着していたのだ。そして良くみると表面に数多くの鱗のようなものが浮き上がっていた。あわてて脱ごうとしたがもう皮膚と密着しているのか脱げなかった。
「なんだこれ! もう身体の一部というんかよ! これから俺らどうなるんというんだよ?」
ケンタは慌てていたが、もうどうすることもできなかった。そう嫌がっている間も否応無く変化がとまらなかった。全身を覆った水着だった何かは皮膚の色を変化させうろこ状に盛り上がらせたかと思うと、硬い物質へと変化させた。背中には魚の尾びれのようなものが生え、顔を覆ったそれは分厚く顔面組織を改変し世にも恐ろしい形相へと変えさせた。そして手足は異常に発達した筋肉組織モリモリにさせ指先に鋭い爪が生え水掻きも広く大きく生えた。
「お前、化けモンじゃよ! なんちゅー姿しとるんじゃよ」
「そりゃ、お前もよ! 俺ら三人とも化けモンになってしまったんじゃ! あの水着は変身グッズだったんじゃ!」
「そんじゃ、ケンタがもってきたんは呪われていたんというんかよ? 変身するならヒーローになればよかったんに」
「そうはいうけど、手遅れじゃん! それにしてもどうなるんじゃよ?」
「そうやなあ、こんな姿では家にもう帰れん! するとこんな姿にした奴がくるんじゃないのかよ。俺らをさらいによ!」
「そんなん、いるんかよ? それにしたってこの姿なんだよ。河童でもないし半漁人かよ? 妖怪じゃねえんかよ」
「ほうじゃのう・・・」
三人で慌てていたが、思わぬ姿になってしまい酷く困惑していた。水着が原因だとは思ったが、目的なんかわからなかった。ただ、不思議な姿になった天神さまの祠のまわりのミズタマリになにかの原因があるかのような気がした。
「しかたないなあ、ミズタマリに近づいていってみるか。この姿になった意味が判るかもしれんけんのう」
三人でミズタマリに近づくことにした。この場から逃げ出す余裕はあったが、こんな化け物になったのでは家に帰っても家に入れてもらえないならまだしも、最悪の場合警察が自衛隊にでも始末されるのではないかと思っていたからだ。
「とにかくいこう。こんな姿でも受け入れてくれるところかもしれんけん・・・」
ケンタはそう言っていたが、最早人間に戻れないと悟っているかのようだった。
「水着だと思っていたけど、なんでレオタードのようになっているんかよ? なんか気持ち悪いけん、はよう脱ごうぜ!」
そういって脱ごうとしたが、まるで皮膚の一部にでもなったかのように肌に密着していたのだ。そして良くみると表面に数多くの鱗のようなものが浮き上がっていた。あわてて脱ごうとしたがもう皮膚と密着しているのか脱げなかった。
「なんだこれ! もう身体の一部というんかよ! これから俺らどうなるんというんだよ?」
ケンタは慌てていたが、もうどうすることもできなかった。そう嫌がっている間も否応無く変化がとまらなかった。全身を覆った水着だった何かは皮膚の色を変化させうろこ状に盛り上がらせたかと思うと、硬い物質へと変化させた。背中には魚の尾びれのようなものが生え、顔を覆ったそれは分厚く顔面組織を改変し世にも恐ろしい形相へと変えさせた。そして手足は異常に発達した筋肉組織モリモリにさせ指先に鋭い爪が生え水掻きも広く大きく生えた。
「お前、化けモンじゃよ! なんちゅー姿しとるんじゃよ」
「そりゃ、お前もよ! 俺ら三人とも化けモンになってしまったんじゃ! あの水着は変身グッズだったんじゃ!」
「そんじゃ、ケンタがもってきたんは呪われていたんというんかよ? 変身するならヒーローになればよかったんに」
「そうはいうけど、手遅れじゃん! それにしてもどうなるんじゃよ?」
「そうやなあ、こんな姿では家にもう帰れん! するとこんな姿にした奴がくるんじゃないのかよ。俺らをさらいによ!」
「そんなん、いるんかよ? それにしたってこの姿なんだよ。河童でもないし半漁人かよ? 妖怪じゃねえんかよ」
「ほうじゃのう・・・」
三人で慌てていたが、思わぬ姿になってしまい酷く困惑していた。水着が原因だとは思ったが、目的なんかわからなかった。ただ、不思議な姿になった天神さまの祠のまわりのミズタマリになにかの原因があるかのような気がした。
「しかたないなあ、ミズタマリに近づいていってみるか。この姿になった意味が判るかもしれんけんのう」
三人でミズタマリに近づくことにした。この場から逃げ出す余裕はあったが、こんな化け物になったのでは家に帰っても家に入れてもらえないならまだしも、最悪の場合警察が自衛隊にでも始末されるのではないかと思っていたからだ。
「とにかくいこう。こんな姿でも受け入れてくれるところかもしれんけん・・・」
ケンタはそう言っていたが、最早人間に戻れないと悟っているかのようだった。
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