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ミズタマリからの誘惑
起章:水着
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二人が倉庫から持ってきたのは不思議な水着だった。内側はなめした皮のようで表は魚のウロコ模様のようになっていた。しかもそれは女が着るようなスクール水着だった。もっともその当時は女がなんで胸を隠す水着なんか着る理由なんか知らなかったが。
「ふたりとも、それを使っていいんかいな? 誰かの持ちもんじゃろうが。それを使ったらまずいんじゃないんか?」
俺は二人を止めようとしていた。なんとなく嫌な予感がしたというよりも、ただ漠然に他人のものを使ってはいけないと思ったからだ。
「いいじゃん、使えば。それに肌触りが気持ちいいんじゃよ! この水着の方からか着てほしいといっているようじゃ! だからお前も着てみんさいな!」
二人の持つ水着を見ると、確かにいうように気持ちよい肌触りだった。しかも皮のような感じだった。それにサイズもピッタリのような感じだった。
「ところで、これってさっき備品置き場から持ち出してきたんだよな? そこにあったんかい?」
「これかい、民俗資料室にあったんじゃよ。どうだ、変わった水着やろ。それとバスタオルは今日のプールの時間の時に隠していたんじゃ」
「それじゃ、これって昼間使った奴ってことかい!」
そんなやり取りをしていたが、おかしなことに気付いた。民俗資料室は小学校に寄贈された昔の農家で使っていた脱穀機や機織機といった古い機械が展示されているのに、どうして水着があったのかが不思議だった。
その水着を手に取ると形は女物のスクール水着であった。その水着は見たことがあったが、男の自分が着る事もないので特段興味が無かった。すると水着を持ってきたケンタが三着あるから着ようぜといった。
「お前のう、この水着きてみい! ほんまに気持ち良いじゃけん! 家で着てみたけど何かに変身したみたいな気がしなんじゃ!」
そういわれたので、三人で着てみることにした。その水着はウロコのような模様がついていて、布地ではなく皮のようだ。後にそれはレザーだと判ったが、怪しい光沢があった。
「それにしても、女の水着って服のように身体を覆っているけど、これもそうだな。なんか誘うているようじゃのう」
そういいながら着ていったが、ケンタのいうように着もちよかっら。その水着は半ズボンのようにすそがあって、競泳水着のようであったが、腰から胸に着ていくたびに張り付くように吸い付いて着ていた。
三人でお揃いの水着になったが、すぐに水の中に入りたくなってきた。なので直ぐにプールに飛び込んだが、まるで競泳選手にでもなったかのように、気持ちよく泳ぐ事が出来た。とても満足したがそのときある所に行きたくなった。
「そういえば、運動場の端に天神さまの祠があったよね。なぜかそこにいきたくなったよな」
「ああ、なんでだろうな。あそこにいかないといけないよな」
「それにしたってなんで小学校の敷地の中にあるんじゃよ?」
「確か、親父の話じゃ、元々天神さまは池の中に浮かぶ島にあったんじゃけど、運動場を作るために島の周りを埋め立てたんじゃってよ。でも天神さまを移動しようとしたら、事故が起きたんで祟りじゃということで、そのままになったんじゃそうじゃ」
「それじゃ、あの周りって昔は池だったんかよ?」
「そうなるじゃろ。そうだ早く行こうぜ! もう直ぐ午後10時になるから、そろそろ家に帰って寝たいしのう。はよういこ!」
そういって自分ら三人は天神さまに向かったが、ケンタが持ってきた水着がその時恐ろしい姿に変わっている事を気付かなかった。そう、この水着は呪いのために実体化した恐ろしいものだったんだ。
「ふたりとも、それを使っていいんかいな? 誰かの持ちもんじゃろうが。それを使ったらまずいんじゃないんか?」
俺は二人を止めようとしていた。なんとなく嫌な予感がしたというよりも、ただ漠然に他人のものを使ってはいけないと思ったからだ。
「いいじゃん、使えば。それに肌触りが気持ちいいんじゃよ! この水着の方からか着てほしいといっているようじゃ! だからお前も着てみんさいな!」
二人の持つ水着を見ると、確かにいうように気持ちよい肌触りだった。しかも皮のような感じだった。それにサイズもピッタリのような感じだった。
「ところで、これってさっき備品置き場から持ち出してきたんだよな? そこにあったんかい?」
「これかい、民俗資料室にあったんじゃよ。どうだ、変わった水着やろ。それとバスタオルは今日のプールの時間の時に隠していたんじゃ」
「それじゃ、これって昼間使った奴ってことかい!」
そんなやり取りをしていたが、おかしなことに気付いた。民俗資料室は小学校に寄贈された昔の農家で使っていた脱穀機や機織機といった古い機械が展示されているのに、どうして水着があったのかが不思議だった。
その水着を手に取ると形は女物のスクール水着であった。その水着は見たことがあったが、男の自分が着る事もないので特段興味が無かった。すると水着を持ってきたケンタが三着あるから着ようぜといった。
「お前のう、この水着きてみい! ほんまに気持ち良いじゃけん! 家で着てみたけど何かに変身したみたいな気がしなんじゃ!」
そういわれたので、三人で着てみることにした。その水着はウロコのような模様がついていて、布地ではなく皮のようだ。後にそれはレザーだと判ったが、怪しい光沢があった。
「それにしても、女の水着って服のように身体を覆っているけど、これもそうだな。なんか誘うているようじゃのう」
そういいながら着ていったが、ケンタのいうように着もちよかっら。その水着は半ズボンのようにすそがあって、競泳水着のようであったが、腰から胸に着ていくたびに張り付くように吸い付いて着ていた。
三人でお揃いの水着になったが、すぐに水の中に入りたくなってきた。なので直ぐにプールに飛び込んだが、まるで競泳選手にでもなったかのように、気持ちよく泳ぐ事が出来た。とても満足したがそのときある所に行きたくなった。
「そういえば、運動場の端に天神さまの祠があったよね。なぜかそこにいきたくなったよな」
「ああ、なんでだろうな。あそこにいかないといけないよな」
「それにしたってなんで小学校の敷地の中にあるんじゃよ?」
「確か、親父の話じゃ、元々天神さまは池の中に浮かぶ島にあったんじゃけど、運動場を作るために島の周りを埋め立てたんじゃってよ。でも天神さまを移動しようとしたら、事故が起きたんで祟りじゃということで、そのままになったんじゃそうじゃ」
「それじゃ、あの周りって昔は池だったんかよ?」
「そうなるじゃろ。そうだ早く行こうぜ! もう直ぐ午後10時になるから、そろそろ家に帰って寝たいしのう。はよういこ!」
そういって自分ら三人は天神さまに向かったが、ケンタが持ってきた水着がその時恐ろしい姿に変わっている事を気付かなかった。そう、この水着は呪いのために実体化した恐ろしいものだったんだ。
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