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中編:祭礼
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硬直していたトメに対し白蛇はこういった。では、もしこれから行う事を振り返らずにおれたら許してやるぞ、でも逃げ出す事は許さないと。硬直したトメは首を縦に振ったが、それは結果から言えば好奇心が強いトメに出来ぬことだった。
朽ちかけた祠の前で妖怪たちは宴を繰り広げていた。聞いたことのない楽器の演奏や歓声そして風切り音・・・全てはトメの想像力では想像すらできなかった。トメは自分の名前すら字を書くことは出来ず、農作業と家事以外の知識を殆ど持ち合わせていなかったから。
そのため見てみたいという好奇心に勝つことは出来なかった。だから気が付いたときには妖怪たちと一緒に見ていた。そして一緒に楽しんでしまった。妖怪たちは自分たちの神々に奉納する祭礼をしていた。人外の舞い、自らの身体を楽器のようにして奏でる音楽、そして変幻自在に姿を変える妖怪たち。狐の妖怪が変化して見た事もない美しい美女となり、一糸まとわぬといって差支えのない、天の岩戸の前のアメノウズメのような淫靡な舞いにトメは魅了されていた。それがどんな報いを受けないといけないのかを考えもしなかった。そのことに気付いたのは魔の儀式が終盤になってからだった。
終盤になると、いつの間にか出現した大きな甕。その強い酒の中から取り出されたのは・・・漬物のようになった人間の亡骸だった! それにトメは失神しそうになった。すると白蛇の声が聞こえてきた。
「そいつはな、我らの儀式を覗き見た者のなれの果てさ! でも殺したんじゃないんだ、呪詛を浴びたから死んだんだよ。おぬしはまだ生きているから呪詛に耐えられるようだな。でも、これはどうかな?」
そういって妖怪たちは酒に浸された人間の亡骸を貪り食ってしまい、あっというまに平らげてしまった。トメにはそれは女房になるのを拒否した場合そうなるということのように感じた。だから・・・女房になりますと言ってしまった。
「そうこなくちゃな。おぬしはこれより我らが仲間に生まれ変わってもらうぞ。分かっているだろうな!」
そういって妖怪たちはトメの粗末な着物を脱がし始めた。彼女は泣け叫びながら拒否しようとしたけど、屈強な妖怪たちに抗する力などなかった。そして妖怪たちの輪の中心に置かれた巨大な俎板の上に載せられてしまった。
「あたいを、食ってしまうのですか? 痛い様にしないでください」
トメは泣け叫んだが、妖怪たちはトメの朝黒く日焼けして畑仕事で鍛えられた身体に大きな甕の酒をかけ始めた。その強い酒にトメの頭はクラクラになってきた。ああ、これからさっきの亡骸のように食われてしまうんだなと思っていた。その時、身体の上に冷たくぬるっとした気色悪いものがはえずり上がってくるのが分かった。そして目の前にはあの白蛇の頭が見えた!
「きゃー!」
「いい声だなおぬし。これから我の女房になってもらうから契りを結ぼうぞ!」
そういって白蛇の身体は細長いものが短くなり達磨のようになって手足がはえてきた。しかし表面は蛇のままだった。
「なんなのよ! それは!」
「決まっているじゃねえか。おぬしはまだ卑しい人間のままだからさ。これから我が精を受け取ってもらうからな。そしておぬしには人間をやめてもらうからな」
トメには何の事なんか理解できなかった。契りと言われてもこんないきなりされるなんて嫌だった。そうこうしているうちに白蛇のお尻の方からぎょっとするモノが出てきた。それは白蛇のトゲが生えた男根だった!
「なによ気色悪いじゃないのよ! なにするんだよ! そんなのやめて!」
この時トメの脳裏に蛇が交尾している光景が浮かんでいた。それは田植えしている時にあぜ道の端で二匹がくっついていた姿だった。その姿はひとつの胴体に蛇の首が二つあるように見えたものだった。
「さあ、もう拒絶できねえぞ! 野郎ども、その娘の手足を押さえやがれ!」
嫌がるトメの肉体の上に白蛇がのかって来た。その感触は最初は硬い鱗がチクチクして気色悪かったが、まだ男など知らない秘部にトゲがある固い木の実のようなモノが入り込んだ瞬間、全身に何とも言えない激痛が入った。それはトメの身体を壊してしまいそうな感覚だった。
「なによ! なによ! あたい悪い事なんかやっていないよ!」
「何をいうか、おぬしは我らが魔の儀式をのぞき見たではないか! たとえずっと我らに気が付けられなく見ていたとしても同じ運命だったのだ! さあ、さっきの甕の中身のように食われるか女房になるか決めろ!」
トメはさっきの亡骸のように妖怪たちに貪りつくされるのは嫌だったが、いまの責めも嫌だった。でも生き残れるのなら一層のこと妖怪の仲間になるのもしかたないと思った。それが罪に対する報いだというなら・・・
「わ、わかりました。あなたの女房になります!」
トメは息も絶え絶えに言ったが胸から下を見ると、全身をからめとるかのように白蛇が縄のように絡みついていた。それには恐怖しかなかった!
「ひゃー!」
「うるせいな! おぬしも我と同じになるんだぞ! 気持ちよく逝くがよい! 人間のその身を捨てよ!」
そういうと白蛇の男根らしきものがトメの胎内奥深くに入り込んでいった!
「ぎゃー!」
トメは最早人間としての声を出せなくなっていた。人間としての知性も吹き飛び獣のようになっていた。誰にも教えてもらったわけでもないのに本能で腰を振っていた。トメは自分が獣になったとしか思えなかった。しかも周囲には妖怪たちが淫らな笑みを浮かべていた。そう人間を贄にした彼らからすれば聖なる祭礼を見守っていた。
朽ちかけた祠の前で妖怪たちは宴を繰り広げていた。聞いたことのない楽器の演奏や歓声そして風切り音・・・全てはトメの想像力では想像すらできなかった。トメは自分の名前すら字を書くことは出来ず、農作業と家事以外の知識を殆ど持ち合わせていなかったから。
そのため見てみたいという好奇心に勝つことは出来なかった。だから気が付いたときには妖怪たちと一緒に見ていた。そして一緒に楽しんでしまった。妖怪たちは自分たちの神々に奉納する祭礼をしていた。人外の舞い、自らの身体を楽器のようにして奏でる音楽、そして変幻自在に姿を変える妖怪たち。狐の妖怪が変化して見た事もない美しい美女となり、一糸まとわぬといって差支えのない、天の岩戸の前のアメノウズメのような淫靡な舞いにトメは魅了されていた。それがどんな報いを受けないといけないのかを考えもしなかった。そのことに気付いたのは魔の儀式が終盤になってからだった。
終盤になると、いつの間にか出現した大きな甕。その強い酒の中から取り出されたのは・・・漬物のようになった人間の亡骸だった! それにトメは失神しそうになった。すると白蛇の声が聞こえてきた。
「そいつはな、我らの儀式を覗き見た者のなれの果てさ! でも殺したんじゃないんだ、呪詛を浴びたから死んだんだよ。おぬしはまだ生きているから呪詛に耐えられるようだな。でも、これはどうかな?」
そういって妖怪たちは酒に浸された人間の亡骸を貪り食ってしまい、あっというまに平らげてしまった。トメにはそれは女房になるのを拒否した場合そうなるということのように感じた。だから・・・女房になりますと言ってしまった。
「そうこなくちゃな。おぬしはこれより我らが仲間に生まれ変わってもらうぞ。分かっているだろうな!」
そういって妖怪たちはトメの粗末な着物を脱がし始めた。彼女は泣け叫びながら拒否しようとしたけど、屈強な妖怪たちに抗する力などなかった。そして妖怪たちの輪の中心に置かれた巨大な俎板の上に載せられてしまった。
「あたいを、食ってしまうのですか? 痛い様にしないでください」
トメは泣け叫んだが、妖怪たちはトメの朝黒く日焼けして畑仕事で鍛えられた身体に大きな甕の酒をかけ始めた。その強い酒にトメの頭はクラクラになってきた。ああ、これからさっきの亡骸のように食われてしまうんだなと思っていた。その時、身体の上に冷たくぬるっとした気色悪いものがはえずり上がってくるのが分かった。そして目の前にはあの白蛇の頭が見えた!
「きゃー!」
「いい声だなおぬし。これから我の女房になってもらうから契りを結ぼうぞ!」
そういって白蛇の身体は細長いものが短くなり達磨のようになって手足がはえてきた。しかし表面は蛇のままだった。
「なんなのよ! それは!」
「決まっているじゃねえか。おぬしはまだ卑しい人間のままだからさ。これから我が精を受け取ってもらうからな。そしておぬしには人間をやめてもらうからな」
トメには何の事なんか理解できなかった。契りと言われてもこんないきなりされるなんて嫌だった。そうこうしているうちに白蛇のお尻の方からぎょっとするモノが出てきた。それは白蛇のトゲが生えた男根だった!
「なによ気色悪いじゃないのよ! なにするんだよ! そんなのやめて!」
この時トメの脳裏に蛇が交尾している光景が浮かんでいた。それは田植えしている時にあぜ道の端で二匹がくっついていた姿だった。その姿はひとつの胴体に蛇の首が二つあるように見えたものだった。
「さあ、もう拒絶できねえぞ! 野郎ども、その娘の手足を押さえやがれ!」
嫌がるトメの肉体の上に白蛇がのかって来た。その感触は最初は硬い鱗がチクチクして気色悪かったが、まだ男など知らない秘部にトゲがある固い木の実のようなモノが入り込んだ瞬間、全身に何とも言えない激痛が入った。それはトメの身体を壊してしまいそうな感覚だった。
「なによ! なによ! あたい悪い事なんかやっていないよ!」
「何をいうか、おぬしは我らが魔の儀式をのぞき見たではないか! たとえずっと我らに気が付けられなく見ていたとしても同じ運命だったのだ! さあ、さっきの甕の中身のように食われるか女房になるか決めろ!」
トメはさっきの亡骸のように妖怪たちに貪りつくされるのは嫌だったが、いまの責めも嫌だった。でも生き残れるのなら一層のこと妖怪の仲間になるのもしかたないと思った。それが罪に対する報いだというなら・・・
「わ、わかりました。あなたの女房になります!」
トメは息も絶え絶えに言ったが胸から下を見ると、全身をからめとるかのように白蛇が縄のように絡みついていた。それには恐怖しかなかった!
「ひゃー!」
「うるせいな! おぬしも我と同じになるんだぞ! 気持ちよく逝くがよい! 人間のその身を捨てよ!」
そういうと白蛇の男根らしきものがトメの胎内奥深くに入り込んでいった!
「ぎゃー!」
トメは最早人間としての声を出せなくなっていた。人間としての知性も吹き飛び獣のようになっていた。誰にも教えてもらったわけでもないのに本能で腰を振っていた。トメは自分が獣になったとしか思えなかった。しかも周囲には妖怪たちが淫らな笑みを浮かべていた。そう人間を贄にした彼らからすれば聖なる祭礼を見守っていた。
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