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16(ケネス視点 その2)
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男であるケネスがクルセイド騎士団女子分隊の指導をしていたのは、彼が女に興味なさそうに見えるというのが理由だった。また、女性騎士の歴史は浅く、指導者になれるような人材が育っていないので、実力があって経験もある男も指導に当たっていた。ただ、年頃の若い娘であるので最新の注意が払われていた。だからケネスがメンバー入りしていた、
ケネスは女心に鈍感であった。それは確実だった。実際カリンが誘惑するような事をしていたとしても、変な気が起きなかったのが証左であった。それに他の団員がカリンが婚約破棄されたと聞いても、あまり心配していないようにケネスは見えていた。
「なあ、ケネス。カリンのこと心配でないか? 婚約破棄だぞ! 破棄! それぐらいわかるだろう」
ケネスにすればカリンを女として見るのは体格差とパワーが劣るというだけで、他はただの女騎士の一人だとしか認識していなかった。まあ、能力があることは評価はしていても、女として誘惑していることに全く気付いていなかった。まあ、気が付いていてもツーゼ伯という恐ろしい騎士団長の娘に手を出すものなんていなかったが。
「破棄か・・・それって結婚で引退するのが遅れたという事だろ? 結婚したら騎士団を辞めるだろうから、よかったじゃないか」
「はあ?」
団員たちはケネスの言葉に絶句してしまった。その男はカリンが焦心状態なのを心配していないのかと。その後、団長もカリンも王城で足止めになっていることが伝わると。騎士団員はほぼ全員が待機していた。これから何が起きるのかという事に。
一方、ケネスは鈍感すぎて平静な精神状態だった。明日からもカリンを指導できる喜びに浸っていた。
ケネスは女心に鈍感であった。それは確実だった。実際カリンが誘惑するような事をしていたとしても、変な気が起きなかったのが証左であった。それに他の団員がカリンが婚約破棄されたと聞いても、あまり心配していないようにケネスは見えていた。
「なあ、ケネス。カリンのこと心配でないか? 婚約破棄だぞ! 破棄! それぐらいわかるだろう」
ケネスにすればカリンを女として見るのは体格差とパワーが劣るというだけで、他はただの女騎士の一人だとしか認識していなかった。まあ、能力があることは評価はしていても、女として誘惑していることに全く気付いていなかった。まあ、気が付いていてもツーゼ伯という恐ろしい騎士団長の娘に手を出すものなんていなかったが。
「破棄か・・・それって結婚で引退するのが遅れたという事だろ? 結婚したら騎士団を辞めるだろうから、よかったじゃないか」
「はあ?」
団員たちはケネスの言葉に絶句してしまった。その男はカリンが焦心状態なのを心配していないのかと。その後、団長もカリンも王城で足止めになっていることが伝わると。騎士団員はほぼ全員が待機していた。これから何が起きるのかという事に。
一方、ケネスは鈍感すぎて平静な精神状態だった。明日からもカリンを指導できる喜びに浸っていた。
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