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奪われる頭脳よみがえる悪夢
162・アイリと淳司(2)
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ガイノイドに支えられてドイツ語講師の淳司がよろめきながら歩いていたが、校内を歩く人々は違和感を感じていた。一体何があったのだろうかと。
「どうされたのですか?」
異変を感知した警備ロボットがやってきてそう言ったが、淳司はすました顔で、大したことはない、ドジして自分で転倒してしまったと。そして病院への手配を断ってガイノイド姿のままの愛莉に支えながらやってきたのは、駐車場にあった一台の古めかしいガソリン自動車だった。
「ふー、この敷地内は敵の目があるからな、とりあえず離れないといけない。ところで愛莉ちゃんは車、運転できる?」
「できません! 免許ないし! でも・・・あれ?」
愛莉は自分の電脳内に目の前のガソリン自動車を運転できるスキルがあるのに気づいた。
「わたし、運転します! それにしても、いまどき自動運転機能がないなんて!」
「そうしてもらいたい。とりあえずドライブに行こう」
愛莉は運転席に座り、帝央大学を後にした。自動車を運転した事はないのに、ドライブモード機能がインストールされているなんて、今は機械なんだと思い知らされた。
「とりあえず出発しましたが、どこに行きます?」
「とりあえず最寄りのインターで高速一号線上りに入って、あとはここに」
淳司の腕時計にバーコードが表示されていたので、愛莉は視覚スキャナーで確認した。すると行き先が分かった。
「そこって・・・行って大丈夫なの?」
「大丈夫さ! クライアントはそこだから! 心配しなくてもいい、君のミッションはクリアしたんだから。あとは冤罪だと確定して、元の愛莉ちゃんの姿になるだけさ、だぶん・・・」
「たぶんって・・・どういう意味なのよ!」
ボディは自動車を操作していたが、心の中では不安を感じていた愛莉であった。
「どうされたのですか?」
異変を感知した警備ロボットがやってきてそう言ったが、淳司はすました顔で、大したことはない、ドジして自分で転倒してしまったと。そして病院への手配を断ってガイノイド姿のままの愛莉に支えながらやってきたのは、駐車場にあった一台の古めかしいガソリン自動車だった。
「ふー、この敷地内は敵の目があるからな、とりあえず離れないといけない。ところで愛莉ちゃんは車、運転できる?」
「できません! 免許ないし! でも・・・あれ?」
愛莉は自分の電脳内に目の前のガソリン自動車を運転できるスキルがあるのに気づいた。
「わたし、運転します! それにしても、いまどき自動運転機能がないなんて!」
「そうしてもらいたい。とりあえずドライブに行こう」
愛莉は運転席に座り、帝央大学を後にした。自動車を運転した事はないのに、ドライブモード機能がインストールされているなんて、今は機械なんだと思い知らされた。
「とりあえず出発しましたが、どこに行きます?」
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「そこって・・・行って大丈夫なの?」
「大丈夫さ! クライアントはそこだから! 心配しなくてもいい、君のミッションはクリアしたんだから。あとは冤罪だと確定して、元の愛莉ちゃんの姿になるだけさ、だぶん・・・」
「たぶんって・・・どういう意味なのよ!」
ボディは自動車を操作していたが、心の中では不安を感じていた愛莉であった。
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