冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田

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三姉妹との邂逅

140・2019年のクリスマスイブ(3)

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 人類にとって2020年代は悪夢でしかなかった。当時の主要国で自国第一主義が蔓延った結果、最終的には「第三次世界大戦」と「悲劇の13日間」で世界の旧秩序は崩壊してしまった。現在では大きく世界の勢力地図は変わってしまったが、2019年当時は「新たな冷戦の勃発」ぐらいしか人々は認識していなかったという。それは高校の時に教師から愛莉が聞いた話だった。

 「これから何が起きるのか分かるけど、なぜわざわざクラウゼさんはこんなことをするのよ?」

 愛莉は不思議だった。結果は分かっているのに何故事件の犯人の電脳内に存在するアーカイブにアクセスするのかが分からなかった。

 「これはな、実は丹下教授が隠していたんだよ、真実を。丹下教授はこの事件を契機として麗華の恐ろしい人体実験に加担するわけだが、当初はドイツの企業だと思っていたんだ。でも、この事件の犯人の身体を機械に変えたときに気付いたのさ。全ては仕組まれていたことに。それで、戦後になってそれらの情報を犯人の電脳内に封印したのさ」

 淳司はそういうと、ステージの上を見るようにいった。そこでは愛莉が記録でしか見たことのない「平成の歌姫」といわれた歌手が挨拶していた。内容は家族を殺された事についてであった。人殺しは憎い、それを癒すためにも死刑制度は必要だというものだった。

 「皮肉なものだが、この日を境に丹下教授は恐ろしい考えを持つようになったわけさ。殺人者を死刑にするのは生ぬるいという考えを。では死刑に代わる方法として人為的に精神を改造してモノにしてしまうという事さ。まあ、本当のところ何が正しいのか分からないが、それを付け込まれたわけさ。麗華の連中いや奴らに・・・」

 この時、愛莉は”奴ら”とはなにかを知らなかった。そいつらが愛莉を冤罪により機械に改造したことも。
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