144 / 198
三姉妹との邂逅
127・心は自由でも身体は(4)
しおりを挟む
愛莉は研究室で暗号の解読をしただけなのに、警察に連行された。でも令状も提示されることはなく容疑すら分からなかった。まともな取り調べもなく裁判で機密漏洩罪だと知らされたわけだ。だから具体的に何が問題なのかは知らなかった。
「本当は何が起きているのですが、私が全身拘束刑にされた事で?」
愛莉は補給液のチューブを胸のハッチに差し込みながらいった。この補給液はガイノイドエリー内部にある生体組織、ナノマシンによって変質しているが、そこに有機物質に供給するためだ。今の愛莉に生物的な空腹は感じなくても稼働に必要な物質の欠乏は危機と感じるわけだ。
「そうかあ、淳司はあんまり言っていないんだろうな。それはそうだろうな、簡単に言えば君の周囲は誰も信じちゃいけないってことさ、目の前にいる者もさ」
そう発言するクラウゼも信じちゃいけないといっている! それは愛莉にとって不安しか生じなかった。でも、心で思っていても身体はガイノイド、勝手に行動は出来なかった。どこかに逃げ出したとしても、誰もが機械が脱走したと思われるだけで自由になれない。良くて連れ戻されるか、悪くすればスクラップだろう。
「そうですか。これから100時間はなにをすればいいのですか? 予定では月曜日の朝まで活動停止だったはずですが、このまま丹下犯罪学研究所の作業ですか?」
研究所にある紙媒体の資料整理作業は愛莉としては退屈でしかなかった。やっている最中は無心になるしかないものだった。
「それもいいが、淳司からの指示がある。安養寺真由美さんに同行しなさいということだ」
愛莉はそれを聞いてドキドキした。機械にされた身体で。
「本当は何が起きているのですが、私が全身拘束刑にされた事で?」
愛莉は補給液のチューブを胸のハッチに差し込みながらいった。この補給液はガイノイドエリー内部にある生体組織、ナノマシンによって変質しているが、そこに有機物質に供給するためだ。今の愛莉に生物的な空腹は感じなくても稼働に必要な物質の欠乏は危機と感じるわけだ。
「そうかあ、淳司はあんまり言っていないんだろうな。それはそうだろうな、簡単に言えば君の周囲は誰も信じちゃいけないってことさ、目の前にいる者もさ」
そう発言するクラウゼも信じちゃいけないといっている! それは愛莉にとって不安しか生じなかった。でも、心で思っていても身体はガイノイド、勝手に行動は出来なかった。どこかに逃げ出したとしても、誰もが機械が脱走したと思われるだけで自由になれない。良くて連れ戻されるか、悪くすればスクラップだろう。
「そうですか。これから100時間はなにをすればいいのですか? 予定では月曜日の朝まで活動停止だったはずですが、このまま丹下犯罪学研究所の作業ですか?」
研究所にある紙媒体の資料整理作業は愛莉としては退屈でしかなかった。やっている最中は無心になるしかないものだった。
「それもいいが、淳司からの指示がある。安養寺真由美さんに同行しなさいということだ」
愛莉はそれを聞いてドキドキした。機械にされた身体で。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。
機械娘フェチ作品撮影!
ジャン・幸田
SF
わたし、とあるプロダクションに所属するモデルだったの。一応十八禁作品出演OKとしていたけど、恥ずかしかったの。
そいで顔出ししないでもいいという撮影があったので行ってみると、そこでわたしはロボットのようになれということだったの。わたしはガイノイドスーツフェチ作品に出演することになった。
ロボットウーマン改造刑を受けた少女
ジャン・幸田
SF
AI搭載型ロボットが普及した未来、特に技能のない人間たちは窮地に陥っていた。最小限の生活は保障されているとはいえ、管理され不自由なデストピアと世界は化していた。
そんな社会で反体制活動に参加し不良のレッテルを貼られた希美は保安処分として「再教育プログラム」を受けさせられ、強制的にロボットと同じ姿に変えられてしまった! 当局以外にはロボット以外の何者でもないと認識されるようになった。
機械の中に埋め込まれてしまった希美は、ロボットウーマンに改造されてしまった!
バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!
ジャン・幸田
SF
バイトの面接に行ったその日からシフト?
失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?
機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!
昼は学生・夜はガイノイド
ジャン・幸田
SF
昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?
女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!
彼女の想いの行方はいかなるものに?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる