119 / 198
迷宮魔道な場所へ
110・迷宮魔道な場所へ(1)
しおりを挟む
人間だった時の愛莉は理工学部の学生であったが、その校舎を全て知らなかった。新設された理工学部校舎は地上25階地下6階と破格の規模があるうえ、学生でも入れない箇所も多く、学生の間でも「迷宮魔道」と呼ばれていた。その意味は迷宮のように入り組んでいるうえ何の研究をしているのか分からないと揶揄されていたからだ。
理工学部構内では数多くのロボットが稼働していた。清掃作業から研究補助まで様々な分野であったが、そのロボットの中には純正の機械もあったが、人間が着用しているタイプや愛莉のように機械化措置を受けた元人間の、サイボーグもしくはガイノイドも入っているのは間違いなかった。
そのとき、ガイノイド・アイリは本当にただの清掃ロボの扱いだった。愛莉はそのあんまりな扱いに閉口していたが、自我のないガイノイドなので黙々と作業をこなしていた。だから愛莉は傍観者のような立場であった。だから暇なので、これまでのこととこれからの事を考えていた。
愛莉の感覚はさっきまで仮想現実では血肉のある身体だったけど、いまは機械そのもののアイリの中に意識があった。実際にはアイリに愛莉の意識プログラムがインストールされているのだが、丹下犯罪学研究所のメンテナンスブースにいるエリーと同調しているので、そこにいるように感じていた。それが出来るのも昨日、真由美と一緒に潜入して取り付けたスパイデバイスのおかげだった。このスパイスパムを中継して潜入していた。電力線を回線代わりに使っているので、理工学部構内なら同調も可能だった。
「それにしても、機械奴隷とはよくいったものだわ。たしかに単調だわ、飽きるわねこんなのが日常なんて」
愛莉は呆れていた、ただ事前に指示された通りの動作しかしていないからだガイノイドのアイリが。
理工学部構内では数多くのロボットが稼働していた。清掃作業から研究補助まで様々な分野であったが、そのロボットの中には純正の機械もあったが、人間が着用しているタイプや愛莉のように機械化措置を受けた元人間の、サイボーグもしくはガイノイドも入っているのは間違いなかった。
そのとき、ガイノイド・アイリは本当にただの清掃ロボの扱いだった。愛莉はそのあんまりな扱いに閉口していたが、自我のないガイノイドなので黙々と作業をこなしていた。だから愛莉は傍観者のような立場であった。だから暇なので、これまでのこととこれからの事を考えていた。
愛莉の感覚はさっきまで仮想現実では血肉のある身体だったけど、いまは機械そのもののアイリの中に意識があった。実際にはアイリに愛莉の意識プログラムがインストールされているのだが、丹下犯罪学研究所のメンテナンスブースにいるエリーと同調しているので、そこにいるように感じていた。それが出来るのも昨日、真由美と一緒に潜入して取り付けたスパイデバイスのおかげだった。このスパイスパムを中継して潜入していた。電力線を回線代わりに使っているので、理工学部構内なら同調も可能だった。
「それにしても、機械奴隷とはよくいったものだわ。たしかに単調だわ、飽きるわねこんなのが日常なんて」
愛莉は呆れていた、ただ事前に指示された通りの動作しかしていないからだガイノイドのアイリが。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?
バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!
ジャン・幸田
SF
バイトの面接に行ったその日からシフト?
失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?
機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!
昼は学生・夜はガイノイド
ジャン・幸田
SF
昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?
女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!
彼女の想いの行方はいかなるものに?
機械娘として転移してしまった!
ジャン・幸田
SF
わたしの名前、あれ忘れてしまった。覚えているのはワープ宇宙船に乗っていただけなのにワープの失敗で、身体がガイノイドになってしまったの!
それで、元の世界に戻りたいのに・・・地球に行く方法はないですか、そこのあなた! 聞いているのよ! 教えてちょうだい!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる