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迷宮魔道な場所へ

102・ガイノイド・アイリ(9)

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 ガイノイド・アイリはガイノイド・エリーと同型であったが、それは共に余剰になった戦闘用女性型外骨格を流用したモノであった。だから、オプションパーツさえあればそれなりの事が出来そうだった。

 なぜ、それを選択したのかは理由は改造した山崎技師長にもわからなかった。仕様書がそうなっていたからだ。彼女にとって人間の女を機械に改造することに興味を持ち歓びを感じても、その女が何故全身拘束刑になったのか、そうしてその仕様にされるのかは関心などなかったからだ。

 その時、愛莉は今の自分が機械そのものな事が嫌で仕方なかった。柔らかい弾力のある肉体を失い、有機物と無機物が融合した機体を覆う外骨格の自分の今の身体に!

 「まあ、一度こう決めたんだから最後まで協力してくれないか? それまで全身拘束刑受刑者としてその姿でいてくれ。それと何故クライアントの政治家が直接手をださないかだが、それなんだが・・・実は以前にも同じことがあったんだよ。その時も俺が関わったんだけど、失敗したんだなこれが。詳しい事はいえないがそういうことなんだ」

 失敗した? 詳しい事はいえない? 愛莉からすれば答えになっていなかったが、これ以上責めても教えてくれない事は理解できなかった。でも、なんでエキゾチック・ブレイン再建の企てが何度もあるのか? きっと連中を完全に根絶できていないのだろうというのは分かった。でも、なんで自分なのよ! そう憤っていた。

 「まあ、協力しろというのならするわよ! そのかわり、中身はともかく外見だけは人間の娘に戻して頂戴! サイボーグみたいでも、とにかく真由美ちゃんの前に戻りたいからね。それはそうと、私の意識とこのアイリをリンクさせてどうなればいいのよ?」

 愛莉はなんとなく予想は出来たが聞いてみた。そんなこと言わせるなよという表情を淳司は浮かべていた。

 「わかっているだろうけど、ダミーだけど君の電脳がエキゾチック・ブレインに接続するのは何者かを確認してくれ!」
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