110 / 199
迷宮魔道な場所へ
101・ガイノイド・アイリ(8)
しおりを挟む
「それが、私にどのように関わってくるというのよ?」
愛莉はその図を読み解こうとしたが、あんまりにも酷い字なので読めなかった。そもそも筆記体というシロモノは癖がありすぎるから仕方ないと思った。それに文章を読み解くのは苦手だと思っていた。
「そうだなあ・・・ここで予断を与えてはいけないんだが、エキゾチック・ブレインは麗華と蔡国という二つの分断国家が密かに共同開発したものだという話は知っているだろ?」
淳司の言葉は耳にタコが出来るぐらい聞いた話だ。おかげで今も両国は戦犯国扱いにされているほどだから。
「ええ、でも両国ともこの国とは大変良好な関係なんでしょ、いまは」
「そうだな。こういう話は聞いたことは無いか? その両国に資金や技術を援助していたのは中国やロシアのほかドイツなどもあったんだが、その背後に世界的投資ファンドのオーナーがいたんだな。ここでは仮にDとしておこう。そのDが今回の計画にも協力しているわけだ」
そういわれても愛莉にはピンとこなかった。そう言った話は都市伝説や陰謀論の類ではないかと感じたからだ。たしか、新聞の下なんかに掲載された雑誌広告の煽り文言でよくみていたものだったから。
「Dねえ、それが分かっているのなら、淳司のクライアントの政治家先生はどうして自分で手を出さないのよ! それに私をすぐにでも全身拘束刑から解放してほしいんですけど、どうしてなの?」
愛莉はガイノイド・アイリの姿で淳司に詰め寄っていた。
愛莉はその図を読み解こうとしたが、あんまりにも酷い字なので読めなかった。そもそも筆記体というシロモノは癖がありすぎるから仕方ないと思った。それに文章を読み解くのは苦手だと思っていた。
「そうだなあ・・・ここで予断を与えてはいけないんだが、エキゾチック・ブレインは麗華と蔡国という二つの分断国家が密かに共同開発したものだという話は知っているだろ?」
淳司の言葉は耳にタコが出来るぐらい聞いた話だ。おかげで今も両国は戦犯国扱いにされているほどだから。
「ええ、でも両国ともこの国とは大変良好な関係なんでしょ、いまは」
「そうだな。こういう話は聞いたことは無いか? その両国に資金や技術を援助していたのは中国やロシアのほかドイツなどもあったんだが、その背後に世界的投資ファンドのオーナーがいたんだな。ここでは仮にDとしておこう。そのDが今回の計画にも協力しているわけだ」
そういわれても愛莉にはピンとこなかった。そう言った話は都市伝説や陰謀論の類ではないかと感じたからだ。たしか、新聞の下なんかに掲載された雑誌広告の煽り文言でよくみていたものだったから。
「Dねえ、それが分かっているのなら、淳司のクライアントの政治家先生はどうして自分で手を出さないのよ! それに私をすぐにでも全身拘束刑から解放してほしいんですけど、どうしてなの?」
愛莉はガイノイド・アイリの姿で淳司に詰め寄っていた。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!
ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった!
もしかすると 悪役にしか見えない?
私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」
そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【SF短編集】機械娘たちの憂鬱
ジャン・幸田
SF
何らかの事情で人間の姿を捨て、ロボットのようにされた女の子の運命を描く作品集。
過去の作品のアーカイブになりますが、新作も追加していきます。
どちらかといえば、長編を構想していて最初の部分を掲載しています。もし評判がよかったり要望があれば、続編ないしリブート作品を書きたいなあ、と思います。
AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!
ジャン・幸田
SF
バイトの面接に行ったその日からシフト?
失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?
機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!

昼は学生・夜はガイノイド
ジャン・幸田
SF
昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?
女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!
彼女の想いの行方はいかなるものに?
クリスタルレディ との逃亡
ジャン・幸田
恋愛
少女のチズルは、兄のように慕いながらも恋人になるのを許されない、宇宙士官候補生のタクマと一緒に訓練航海に同行するため、クリスタルレディと呼ばれるサイボーグに改造してもらった。
訓練航海の最中にふとしたことで二人は遭難してしまった。敵対勢力地域から故郷地球に戻るための逃亡劇が今始まる!
(あんまり人気もなく、乗り気にならないので、途中の話を飛ばして投稿します。後半はダイジェストみたいにします)
機械娘フェチ作品撮影!
ジャン・幸田
SF
わたし、とあるプロダクションに所属するモデルだったの。一応十八禁作品出演OKとしていたけど、恥ずかしかったの。
そいで顔出ししないでもいいという撮影があったので行ってみると、そこでわたしはロボットのようになれということだったの。わたしはガイノイドスーツフェチ作品に出演することになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる