冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田

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迷宮魔道な場所へ

101・ガイノイド・アイリ(8)

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 「それが、私にどのように関わってくるというのよ?」

 愛莉はその図を読み解こうとしたが、あんまりにも酷い字なので読めなかった。そもそも筆記体というシロモノは癖がありすぎるから仕方ないと思った。それに文章を読み解くのは苦手だと思っていた。

 「そうだなあ・・・ここで予断を与えてはいけないんだが、エキゾチック・ブレインは麗華と蔡国という二つの分断国家が密かに共同開発したものだという話は知っているだろ?」

 淳司の言葉は耳にタコが出来るぐらい聞いた話だ。おかげで今も両国は戦犯国扱いにされているほどだから。

 「ええ、でも両国ともこの国とは大変良好な関係なんでしょ、いまは」

 「そうだな。こういう話は聞いたことは無いか? その両国に資金や技術を援助していたのは中国やロシアのほかドイツなどもあったんだが、その背後に世界的投資ファンドのオーナーがいたんだな。ここでは仮にDとしておこう。そのDが今回の計画にも協力しているわけだ」

 そういわれても愛莉にはピンとこなかった。そう言った話は都市伝説や陰謀論の類ではないかと感じたからだ。たしか、新聞の下なんかに掲載された雑誌広告の煽り文言でよくみていたものだったから。

 「Dねえ、それが分かっているのなら、淳司のクライアントの政治家先生はどうして自分で手を出さないのよ! それに私をすぐにでも全身拘束刑から解放してほしいんですけど、どうしてなの?」

 愛莉はガイノイド・アイリの姿で淳司に詰め寄っていた。
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