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迷宮魔道な場所へ
88・絶体絶命!
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大人しくついていった先にいたのは、ものものしい数の警備ロボだった。とてもじゃないが女子大生と介助ガイノイドの不許可進入に対する対応ではなかった。
「君たちかね? 禁止されたエリアに近づこうとしていたのは? 在校生であるとはいえ、ここがどんなことをしている場所なのかわかっていないだろ?」
拡声器から聞こえてきたのは、ここの警備システムのようだった。どうやらそれなりの対応をしようとしているのが分かった。
「申し訳ございません、悪気はなかったのです。帰る途中に散歩しようとしていたのです」
真由美は誤魔化そうとしていたが、無理のようだった。
「そうですか? なんていって見逃すことは出来ないな。取りあえず君は保護者に連絡してから決めるとして、そこのガイノイド! そっちは誤作動じゃねえのか? 関係部署に連絡の上で検査が必要じゃねえんか?」
愛莉はやはりと思った。連中はエリーの身柄を差し押さえようとしているようだ! ここは連中の迷宮魔道の本丸、規則なんて連中の都合で変えられてしまう! もう運命は定まったかに思えた。絶体絶命だ!
「お言葉ですが、どのような規則でそうするのですか? 学則のどこにもありませんわ!」
エリーとして愛莉は抗弁しようとしたが、それは無駄だと分かっていた。分かっていたけど何かしなければならなかった。
「それに、保護者への連絡といわれますが、完全な部外者でありませんし、途中までいっただけです。そのまま安養寺さんは解放でいいではありませんか? 」
愛莉は真由美だけでも解放してもらいたいと思った。自分は・・・ダメかもしれなかった。警備ロボたちはしばし沈黙した後、次の事を言い出した。どうやら「新たな指示」を与えられたようだ。
「関係部署に問い合わせた。次の措置をとる! 安養寺真由美さんは我々警備ロボが西口まで連れていく。ガイノイド・エリーは理工学部メンテナンスルームでAI基盤のチェックを行ったうえで対処する、以上!」
その言葉に最も動揺したのが真由美だった! 彼女は車椅子に付属している杖で周囲にいる警備ロボをたたき出した。
「なんなのよ! この・・・エリーは私の指示に忠実にしただけなのよ! なんでそんなことになるのよ! おかしいじゃないのよ! 私がここに来たいといったのよ! それなのに、なんで異常があるなんていうのよ! 異常なことないじゃないのよ! 機械として正しい事をしたのに何故なのよ! 狂っているのは其方の方じゃないのよ!」
真由美は泣きながら叩いたが、すぐに警備ロボに羽交い絞めにされた。
「手荒な真似はしないでください! 任務とはいえひどすぎませんか? おやめください!」
エリー、いや愛莉は真由美を羽交い絞めにしている警備ロボの腕を振り払おうとしがみついていた。すると警備ロボからこんな言葉が漏れた。
「介助用ガイノイドのプログラムから逸脱しているようだな! やはりチェックは必要だな!」
すると、今度はエリーの機体が羽交い絞めにされ、四体の警備ロボによって両手両足が掴まれ神輿のような風にされた。もはや絶体絶命! であった。
「君たちかね? 禁止されたエリアに近づこうとしていたのは? 在校生であるとはいえ、ここがどんなことをしている場所なのかわかっていないだろ?」
拡声器から聞こえてきたのは、ここの警備システムのようだった。どうやらそれなりの対応をしようとしているのが分かった。
「申し訳ございません、悪気はなかったのです。帰る途中に散歩しようとしていたのです」
真由美は誤魔化そうとしていたが、無理のようだった。
「そうですか? なんていって見逃すことは出来ないな。取りあえず君は保護者に連絡してから決めるとして、そこのガイノイド! そっちは誤作動じゃねえのか? 関係部署に連絡の上で検査が必要じゃねえんか?」
愛莉はやはりと思った。連中はエリーの身柄を差し押さえようとしているようだ! ここは連中の迷宮魔道の本丸、規則なんて連中の都合で変えられてしまう! もう運命は定まったかに思えた。絶体絶命だ!
「お言葉ですが、どのような規則でそうするのですか? 学則のどこにもありませんわ!」
エリーとして愛莉は抗弁しようとしたが、それは無駄だと分かっていた。分かっていたけど何かしなければならなかった。
「それに、保護者への連絡といわれますが、完全な部外者でありませんし、途中までいっただけです。そのまま安養寺さんは解放でいいではありませんか? 」
愛莉は真由美だけでも解放してもらいたいと思った。自分は・・・ダメかもしれなかった。警備ロボたちはしばし沈黙した後、次の事を言い出した。どうやら「新たな指示」を与えられたようだ。
「関係部署に問い合わせた。次の措置をとる! 安養寺真由美さんは我々警備ロボが西口まで連れていく。ガイノイド・エリーは理工学部メンテナンスルームでAI基盤のチェックを行ったうえで対処する、以上!」
その言葉に最も動揺したのが真由美だった! 彼女は車椅子に付属している杖で周囲にいる警備ロボをたたき出した。
「なんなのよ! この・・・エリーは私の指示に忠実にしただけなのよ! なんでそんなことになるのよ! おかしいじゃないのよ! 私がここに来たいといったのよ! それなのに、なんで異常があるなんていうのよ! 異常なことないじゃないのよ! 機械として正しい事をしたのに何故なのよ! 狂っているのは其方の方じゃないのよ!」
真由美は泣きながら叩いたが、すぐに警備ロボに羽交い絞めにされた。
「手荒な真似はしないでください! 任務とはいえひどすぎませんか? おやめください!」
エリー、いや愛莉は真由美を羽交い絞めにしている警備ロボの腕を振り払おうとしがみついていた。すると警備ロボからこんな言葉が漏れた。
「介助用ガイノイドのプログラムから逸脱しているようだな! やはりチェックは必要だな!」
すると、今度はエリーの機体が羽交い絞めにされ、四体の警備ロボによって両手両足が掴まれ神輿のような風にされた。もはや絶体絶命! であった。
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