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迷宮魔道な場所へ
75・二体のガイノイド
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一行は最初の見学ポイントへと向かった。途中のフロアに未公開エリアや立ち入り禁止エリアもあるらしく、一行の移動は複雑そものであり、洞窟の探検でもしているようなジグザグな動きをしていた。その一行の先導をしていたのはアイリだった。そして一番後ろはエリーだった。一行の前後にガイノイドがついていた。
その状態に愛莉はエリーの中から複雑な想いになっていた。このとき、アイリはどんな指示を受けているのだろうか? もしかしてダミーだというのがバレないのかと。
アイリは廃棄処分になった生体由来のバイオロボの部品や、試験的に作られた人体由来の電脳(淳司は詳しく言わなかったが、おそらく死体を加工したみたい)を組み合わせて、山村愛莉を全身拘束刑にして完成した元のアイリとほぼ同じものを制作したダミーだった。
全身拘束刑受刑者で製造されたロボットは通常第三者は知らないはずであった。でも操など理工学部の面々いやエキゾチック・ブレインの関係者は知っているようだ。全て連中がしたことだから。いままでのところアイリがダミーということは気づいていないかもしれない。そう思いたいが不安もあった。実は知っていて放置しているのではないかと。
それに、確実にバレるタイミングがあった。アイリの電脳を摘出した時、製造刻印を確認すれば模造品だと分かってしまうはずだ。そうなれば何が起きるのだろうか? 探すに違いなかった!
「失礼ですが、今日なにか不審なものを持ち込んでおられませんよね?」
エレベーターの中で急にアイリがエリーに話しかけてきた。セキュリティープログラムによるものらしく、「聞いてみた」というようだ。今のアイリの状態は本当のロボットそのもので、万が一自我が再現されたら、恐らくはバグによって早々に本物でないとバレるかもしれない機体だった。それにしても数日で作ったというのだから、バレない方が難しいかもしれなかった。
「それは問題ございません。安養寺真由美さまの付き添うだけが目的です。それ以外の指示は受けておりません。当然ですわ」
エリーはそう応答したが、自分の分身ともいえる二体のガイノイドの絡みというのは、愛莉は変な気分になった。このガイノイド二体の存在が消える時、山村愛莉が復活するのだろうか、それともエキゾチック・ブレインが復活するのだろうか? そんな疑問があった。もし、後者の場合は悪魔が復活するのだろうか、それとも神が降臨するのか? そのとき、自分という存在は消えてしまうだろう。それだけは避けないといけないので訳も分からず協力しているが、本当にそれが正しいのだろうか?
その状態に愛莉はエリーの中から複雑な想いになっていた。このとき、アイリはどんな指示を受けているのだろうか? もしかしてダミーだというのがバレないのかと。
アイリは廃棄処分になった生体由来のバイオロボの部品や、試験的に作られた人体由来の電脳(淳司は詳しく言わなかったが、おそらく死体を加工したみたい)を組み合わせて、山村愛莉を全身拘束刑にして完成した元のアイリとほぼ同じものを制作したダミーだった。
全身拘束刑受刑者で製造されたロボットは通常第三者は知らないはずであった。でも操など理工学部の面々いやエキゾチック・ブレインの関係者は知っているようだ。全て連中がしたことだから。いままでのところアイリがダミーということは気づいていないかもしれない。そう思いたいが不安もあった。実は知っていて放置しているのではないかと。
それに、確実にバレるタイミングがあった。アイリの電脳を摘出した時、製造刻印を確認すれば模造品だと分かってしまうはずだ。そうなれば何が起きるのだろうか? 探すに違いなかった!
「失礼ですが、今日なにか不審なものを持ち込んでおられませんよね?」
エレベーターの中で急にアイリがエリーに話しかけてきた。セキュリティープログラムによるものらしく、「聞いてみた」というようだ。今のアイリの状態は本当のロボットそのもので、万が一自我が再現されたら、恐らくはバグによって早々に本物でないとバレるかもしれない機体だった。それにしても数日で作ったというのだから、バレない方が難しいかもしれなかった。
「それは問題ございません。安養寺真由美さまの付き添うだけが目的です。それ以外の指示は受けておりません。当然ですわ」
エリーはそう応答したが、自分の分身ともいえる二体のガイノイドの絡みというのは、愛莉は変な気分になった。このガイノイド二体の存在が消える時、山村愛莉が復活するのだろうか、それともエキゾチック・ブレインが復活するのだろうか? そんな疑問があった。もし、後者の場合は悪魔が復活するのだろうか、それとも神が降臨するのか? そのとき、自分という存在は消えてしまうだろう。それだけは避けないといけないので訳も分からず協力しているが、本当にそれが正しいのだろうか?
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