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(閑話)真由美の放課後
真由美の朝
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真由美は昔から気になっていたことがある。夢を見る事がないのだ。そして寝付きも良いし寝起きもいいのだ。それを見た全寮制女子高の同室だった愛莉から、まるでタイマーでも仕込まれた機械みたいといじられたこともあった。
朝、目覚めると昨夜のドレス姿のままでベットの上に横になっていた。その姿はまるで眠れる森の美女のマネキンのようであった。着乱れる事もなくそのままであったから。
「そんなことになっていたなんて、お姉ちゃんは不憫・・・今頃どこにいるのかしら?]
昨夜、杠首相に愛莉は全身拘束刑によってロボットに改造されたことを聞かされ、気が動転したことを思い出した。自宅にセバスチャンに送ってもらった後は、そのまま眠りに落ちていた。
「それにしても、慣れないよね、やっぱこの部屋」
真由美が現在暮らしているのは安養寺社長の自宅としている会社が所有する高層マンションの一室だった。その内装は「社長令嬢」のものとしては質素で、無駄な装飾もなく最低限の機能しかない調度品が少しだけ置かれていた。そんなに質素なのはこの部屋は学校から帰省したときに使うだけのもので、あまり気にしていなかったのだ。それまでの生活拠点は女子高の寮だったから。だから大学に入学してずっと使っているのが不思議な気分になtった。
「おはようございます、お姉ちゃん。今日はどこでお目覚めなんですか?」
真由美はテーブルの上に置かれた愛莉とのツーショット写真に声をかけた。それは真由美がいつでも見れるようにと置いているモノだった。丹下犯罪学研究所の自分にあてがわれたデスクの上にあるのと同じものであった。そして、とりあえず真由美はニュース動画をみることにした。すると画像には杠首相が映っていた。
「本日、杠首相は急遽予定を変更し、蔡国、麗華、中国の三ヶ国首脳との会談を行うとの発表がありました。なんらかの重大な問題が発生したとのことですが、詳細については発表はしないとのことです。それに対し、政府与党から説明責任を果たしていないとの批判の声があがっています。なお、会談場所は麗華東海岸の大湾とのことです」
大湾、との言葉を聞いて真由美はあることを思い出した。たしか母と両足を失ったのは、そこで発生した純粋水爆炸裂によって生じた災難が原因だと聞かされたことがあった。でも、その記憶もなかった。真由美が自分がここにいると自覚したのは、足が不自由になったあとからだ。だから、自分の足で歩いたことを覚えていなかった。
「お姉ちゃんが全身拘束刑でひどい目にあっているのなら、あたしも何かしなくちゃいけないよね。そうだ! 私の足をつけてもらおう! 機械義足に! お姉ちゃんが機械に改造されたのなら、あたしも・・・」
真由美は自分の足を見た。
朝、目覚めると昨夜のドレス姿のままでベットの上に横になっていた。その姿はまるで眠れる森の美女のマネキンのようであった。着乱れる事もなくそのままであったから。
「そんなことになっていたなんて、お姉ちゃんは不憫・・・今頃どこにいるのかしら?]
昨夜、杠首相に愛莉は全身拘束刑によってロボットに改造されたことを聞かされ、気が動転したことを思い出した。自宅にセバスチャンに送ってもらった後は、そのまま眠りに落ちていた。
「それにしても、慣れないよね、やっぱこの部屋」
真由美が現在暮らしているのは安養寺社長の自宅としている会社が所有する高層マンションの一室だった。その内装は「社長令嬢」のものとしては質素で、無駄な装飾もなく最低限の機能しかない調度品が少しだけ置かれていた。そんなに質素なのはこの部屋は学校から帰省したときに使うだけのもので、あまり気にしていなかったのだ。それまでの生活拠点は女子高の寮だったから。だから大学に入学してずっと使っているのが不思議な気分になtった。
「おはようございます、お姉ちゃん。今日はどこでお目覚めなんですか?」
真由美はテーブルの上に置かれた愛莉とのツーショット写真に声をかけた。それは真由美がいつでも見れるようにと置いているモノだった。丹下犯罪学研究所の自分にあてがわれたデスクの上にあるのと同じものであった。そして、とりあえず真由美はニュース動画をみることにした。すると画像には杠首相が映っていた。
「本日、杠首相は急遽予定を変更し、蔡国、麗華、中国の三ヶ国首脳との会談を行うとの発表がありました。なんらかの重大な問題が発生したとのことですが、詳細については発表はしないとのことです。それに対し、政府与党から説明責任を果たしていないとの批判の声があがっています。なお、会談場所は麗華東海岸の大湾とのことです」
大湾、との言葉を聞いて真由美はあることを思い出した。たしか母と両足を失ったのは、そこで発生した純粋水爆炸裂によって生じた災難が原因だと聞かされたことがあった。でも、その記憶もなかった。真由美が自分がここにいると自覚したのは、足が不自由になったあとからだ。だから、自分の足で歩いたことを覚えていなかった。
「お姉ちゃんが全身拘束刑でひどい目にあっているのなら、あたしも何かしなくちゃいけないよね。そうだ! 私の足をつけてもらおう! 機械義足に! お姉ちゃんが機械に改造されたのなら、あたしも・・・」
真由美は自分の足を見た。
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