冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田

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エリーは探偵として推理する

53・エキゾチック・ブレイン(1)

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 帝央大の構内になぜあるのか? そもそも破壊されたはずなのに、いつ日本に持ち込まれていたのか? エキゾチック・ブレインは謎だらけだった。愛莉が暗号を解読したとき、多くの謎が解けたはずだが、そのほぼすべてが国防省のサーバーから削除されていた。もちろんコピーがロシアや中国、ドイツなどにもあるが、秘密協定によって解読が禁止されているので、愛莉を使い盗み出した者以外は分からなくなっていた。

 だから淳司が教えてくれた情報によれば、次の事は確実だという。それにしても淳司のクライアントって誰なのかしら? そんな疑問を愛莉は持っていた、敵なのか味方なのかも分からないしただ利用されているのかもしれないし。

 主要国同盟軍によってエキゾチック・ブレインが設置されていた、麗華民主共和国宮殿は灰燼に帰したが、エキゾチック・ブレインの主要部だけ調査団が発見し、そのとき中枢部分のブラックボックスとそれにつながるシステムの一部が発見された。それら回収された部品は主要国によって解体され持ち帰られたが、取り出せた情報は全て暗号化されていたので、コピーを製作したうえで関係各国に密かに配布された。

 それらのコピーは定期的に関係各国で解除されていないかを確認しあっていたが、愛莉によって全てがご破算になった。それで他の各国でも解読作業が始まったが、上手くいっていないという。

 「はあ、そういうことは私ってどうして解読できたというのよ!」

 実のところ、愛莉もどうやって解読が出来たのか分かっていなかった。なんとなく無我の境地でやっていたらマグレで出来たとしか言えなかった。でも、それが原因で今はガイノイドにされた!

 そんな憎きエキゾチック・ブレインが今いる近くにある! そうなると、国防長官が失脚したのはこれが原因といえた。移送に反対もしくは知られたくなかった前任者を排除し、”闇の司法部”の息がかかった者を国防長官にすえた。そういえるのであるが、それにしてもゆずりは首相って敵なのか? それともグータラなのか? 訳が分からなかった。

 愛莉はそれほど政治に興味がなかったので、詳しい事はよくわからないが、杠首相は前任者が病床に臥せったので、次の総選挙までの繋ぎとして就任したと聞いていた。だから長くは首相の職にいないといえた。

 「それじゃあ、もう少し調べてみよう!」

 愛莉はさらに調べてみる事にした。
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