44 / 198
エリーは探偵として推理する
43・求めるべき真実(7)
しおりを挟む
いまアイリのボディに触れているのが黒幕もしくはその手下なのは確かだった。でも、確かめようにもこのデータはアーカイブなので、その時なにかを注意して感じる事は出来なかった。そこにいたアイリはダミーだから。愛莉は少し悔しかった。
「ところで、今度杠首相が視察と講演会をするためにここにくるが大丈夫か? あいつは結構ここを疑っているようだ。この前の機密漏えい事件は我々の陰謀だと」
男は何かを飲んでいるようだったが、映像がないので想像だけだった。それにしても首相をあいつ呼ばわりする連中は何者だろう?
「それは大丈夫。首相といえども連合与党の勢力争いの仲裁役としてリリーフ登板しただけだから、国家機密なんて殆ど知らないわよ。疑ったところでこちらがやろうとしているのは分からないわよ。せいぜい御用マスコミが垂れ流した情報以上のことは知らないはずだよ」
女はその時男と接近して何かをしているようであったが、それが何かは分からなかった。なんとなく衣擦れの音を立てているようであった。
「あいつは正義感だけは人一倍強いと思い込んでいるからな。あんまり首を突っ込まないうちに退陣してもらいたいところだけど。まあ、去年の暮れに就任したばかりだから応じるわけはなかったがな。
この前の国防省機密漏えい事件で連帯責任といってもらいたかったが、おかげで政権支持率も危険水域に突入しているからな。
あとはエキゾチック・ブレインを稼働させれば、我々にとって都合の良い奴を首相にするだけさ! さしずめ・・・」
そこまでいったところで、女の甘い声が聞こえてきた。何をしているのかを想像しただけで愛梨は思春期のそういった色恋事に嫌悪感を感じる少女のように震える気分だった。すると、そこでアイリの記録が終了した。どうやら完全にログオフ状態になったようだ。
「はあ・・・誰なんだろうね、あたいを嵌めて機械にした連中は。板倉教授の部屋に入れるなんて理工学部の上層部なんだろうけど、誰なんだろうね。女は二十代前半だけど、男は多分四十代って、ことは不倫なの?」
愛莉は、ただでさえいい感情を持っていなかったあのカップルに嫌悪感をかんじていた! 人を機械にして、自分たちはお楽しみなのかよって! もっとも、愛莉はまだ恋愛経験がないので具体的に何をするのかははっきりとは分からなかった。
「とりあえず、敵は理工学部にいるというのはわかったけど、誰なんだろうね」
そのとき、あることを思った。同級生だった畔地晴美のことだ。彼女は自殺したとされていたが。頭部に酷い損傷があった。もしかすると彼女はエキゾチック・ブレインの被験者にされたのではないかと。
「ところで、今度杠首相が視察と講演会をするためにここにくるが大丈夫か? あいつは結構ここを疑っているようだ。この前の機密漏えい事件は我々の陰謀だと」
男は何かを飲んでいるようだったが、映像がないので想像だけだった。それにしても首相をあいつ呼ばわりする連中は何者だろう?
「それは大丈夫。首相といえども連合与党の勢力争いの仲裁役としてリリーフ登板しただけだから、国家機密なんて殆ど知らないわよ。疑ったところでこちらがやろうとしているのは分からないわよ。せいぜい御用マスコミが垂れ流した情報以上のことは知らないはずだよ」
女はその時男と接近して何かをしているようであったが、それが何かは分からなかった。なんとなく衣擦れの音を立てているようであった。
「あいつは正義感だけは人一倍強いと思い込んでいるからな。あんまり首を突っ込まないうちに退陣してもらいたいところだけど。まあ、去年の暮れに就任したばかりだから応じるわけはなかったがな。
この前の国防省機密漏えい事件で連帯責任といってもらいたかったが、おかげで政権支持率も危険水域に突入しているからな。
あとはエキゾチック・ブレインを稼働させれば、我々にとって都合の良い奴を首相にするだけさ! さしずめ・・・」
そこまでいったところで、女の甘い声が聞こえてきた。何をしているのかを想像しただけで愛梨は思春期のそういった色恋事に嫌悪感を感じる少女のように震える気分だった。すると、そこでアイリの記録が終了した。どうやら完全にログオフ状態になったようだ。
「はあ・・・誰なんだろうね、あたいを嵌めて機械にした連中は。板倉教授の部屋に入れるなんて理工学部の上層部なんだろうけど、誰なんだろうね。女は二十代前半だけど、男は多分四十代って、ことは不倫なの?」
愛莉は、ただでさえいい感情を持っていなかったあのカップルに嫌悪感をかんじていた! 人を機械にして、自分たちはお楽しみなのかよって! もっとも、愛莉はまだ恋愛経験がないので具体的に何をするのかははっきりとは分からなかった。
「とりあえず、敵は理工学部にいるというのはわかったけど、誰なんだろうね」
そのとき、あることを思った。同級生だった畔地晴美のことだ。彼女は自殺したとされていたが。頭部に酷い損傷があった。もしかすると彼女はエキゾチック・ブレインの被験者にされたのではないかと。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

昼は学生・夜はガイノイド
ジャン・幸田
SF
昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?
女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!
彼女の想いの行方はいかなるものに?

機械娘として転移してしまった!
ジャン・幸田
SF
わたしの名前、あれ忘れてしまった。覚えているのはワープ宇宙船に乗っていただけなのにワープの失敗で、身体がガイノイドになってしまったの!
それで、元の世界に戻りたいのに・・・地球に行く方法はないですか、そこのあなた! 聞いているのよ! 教えてちょうだい!

AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!
ジャン・幸田
SF
バイトの面接に行ったその日からシフト?
失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?
機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!

【SF短編集】機械娘たちの憂鬱
ジャン・幸田
SF
何らかの事情で人間の姿を捨て、ロボットのようにされた女の子の運命を描く作品集。
過去の作品のアーカイブになりますが、新作も追加していきます。
どちらかといえば、長編を構想していて最初の部分を掲載しています。もし評判がよかったり要望があれば、続編ないしリブート作品を書きたいなあ、と思います。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ロボットウーマン改造刑を受けた少女
ジャン・幸田
SF
AI搭載型ロボットが普及した未来、特に技能のない人間たちは窮地に陥っていた。最小限の生活は保障されているとはいえ、管理され不自由なデストピアと世界は化していた。
そんな社会で反体制活動に参加し不良のレッテルを貼られた希美は保安処分として「再教育プログラム」を受けさせられ、強制的にロボットと同じ姿に変えられてしまった! 当局以外にはロボット以外の何者でもないと認識されるようになった。
機械の中に埋め込まれてしまった希美は、ロボットウーマンに改造されてしまった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる