26 / 198
エリーは探偵として推理する
25・仮想空間で(4)
しおりを挟む
愛莉は両親を失って施設に入れられたのが十歳の時だった。それまで一人っ子で学校では他の子どもと遊ばない少女だったので、自分の才能に気付いていなかった。元々は勉強をやらなかったからだ。両親とも忙しくて家で絵ばかり描いて満足していたし、ゲーム機なんてものは家にはなかったし。
愛莉にはいろんな人との養子縁組の話があったが、まとまることはなかった。そうしているなか、施設で勉強を少ししただけで、物凄く学力が上がったので、施設の職員に勧められるままに、いわゆる進学校の中学受験をしたら全て通ってしまい、そのなかで全寮制のお嬢様学校に学費生活費免除の特待生で入学したのが、真由美が後輩として入って来た学校だった。
「知っているんだよね淳司、私の頭の秘密を! 見た目はともかく科学者が本気で研究したがって近づいて来たこともあったわね。自分は嫌だったけどね。だから、帝央に入ったというのにね、いろんなところから話があったのを断ってね。でも、その選択は間違っていたわけなの?」
そういうと愛莉は自分の髪の毛をぐしゃぐしゃにした。この忌々しい頭め! こいつがあるから狙われたんだと! しかし、それは自己否定なのでますます嫌になっていた。
「まあまあ、荒れる事はないよ。だから君の脳細胞を電脳化したんだと思うんだ。知っていると思うが、合法的にかつ最高の技術で電脳化するのを認められているのは、この国では全身拘束刑に処せられる時だけなんだ。だから君を囚人にしたかったわけなのさ」
そういって淳司はもう一つの画像を出した。それは夥しい電脳が写った写真だった。
「こ、これは?」 愛莉はその画像が持つ意味を瞬時に把握した。これは恐ろしい事だと!
「こいつが国防省のデータベースから盗み出したものの正体さ! これは麗華民主共和国で撮影されたものさ。この国の独裁者は政治犯収容所にいる老若男女に電脳化といった人体実験をしたんだ。簡単に言えばパクったわけさ、我が国の全身拘束刑による刑の執行方法を研究するために。でも、そうやって数万人を犠牲にしたとき、偶然恐ろしいモノを発明したわけだ。それが超越改造・電脳さ! そいつは本当にヤバくて、おかけで独裁者はハチの巣にされて死んでしまったのさ! 自業自得だけどさ!」
淳司が言い出したエキゾチック・ブレインという言葉に愛莉は聞き覚えがあった。
愛莉にはいろんな人との養子縁組の話があったが、まとまることはなかった。そうしているなか、施設で勉強を少ししただけで、物凄く学力が上がったので、施設の職員に勧められるままに、いわゆる進学校の中学受験をしたら全て通ってしまい、そのなかで全寮制のお嬢様学校に学費生活費免除の特待生で入学したのが、真由美が後輩として入って来た学校だった。
「知っているんだよね淳司、私の頭の秘密を! 見た目はともかく科学者が本気で研究したがって近づいて来たこともあったわね。自分は嫌だったけどね。だから、帝央に入ったというのにね、いろんなところから話があったのを断ってね。でも、その選択は間違っていたわけなの?」
そういうと愛莉は自分の髪の毛をぐしゃぐしゃにした。この忌々しい頭め! こいつがあるから狙われたんだと! しかし、それは自己否定なのでますます嫌になっていた。
「まあまあ、荒れる事はないよ。だから君の脳細胞を電脳化したんだと思うんだ。知っていると思うが、合法的にかつ最高の技術で電脳化するのを認められているのは、この国では全身拘束刑に処せられる時だけなんだ。だから君を囚人にしたかったわけなのさ」
そういって淳司はもう一つの画像を出した。それは夥しい電脳が写った写真だった。
「こ、これは?」 愛莉はその画像が持つ意味を瞬時に把握した。これは恐ろしい事だと!
「こいつが国防省のデータベースから盗み出したものの正体さ! これは麗華民主共和国で撮影されたものさ。この国の独裁者は政治犯収容所にいる老若男女に電脳化といった人体実験をしたんだ。簡単に言えばパクったわけさ、我が国の全身拘束刑による刑の執行方法を研究するために。でも、そうやって数万人を犠牲にしたとき、偶然恐ろしいモノを発明したわけだ。それが超越改造・電脳さ! そいつは本当にヤバくて、おかけで独裁者はハチの巣にされて死んでしまったのさ! 自業自得だけどさ!」
淳司が言い出したエキゾチック・ブレインという言葉に愛莉は聞き覚えがあった。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

機械娘として転移してしまった!
ジャン・幸田
SF
わたしの名前、あれ忘れてしまった。覚えているのはワープ宇宙船に乗っていただけなのにワープの失敗で、身体がガイノイドになってしまったの!
それで、元の世界に戻りたいのに・・・地球に行く方法はないですか、そこのあなた! 聞いているのよ! 教えてちょうだい!

昼は学生・夜はガイノイド
ジャン・幸田
SF
昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?
女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!
彼女の想いの行方はいかなるものに?

【SF短編集】機械娘たちの憂鬱
ジャン・幸田
SF
何らかの事情で人間の姿を捨て、ロボットのようにされた女の子の運命を描く作品集。
過去の作品のアーカイブになりますが、新作も追加していきます。
どちらかといえば、長編を構想していて最初の部分を掲載しています。もし評判がよかったり要望があれば、続編ないしリブート作品を書きたいなあ、と思います。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!
ジャン・幸田
SF
バイトの面接に行ったその日からシフト?
失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?
機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる