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婚約者に要らないとおもわれ追い出された!(サンドラ目線)

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 サンドラが受け取ったオットーからの手紙は情熱的だった。嫌いでもない相手からの恋文を受け取って嫌ではなかったが、一つ気が付いたことがあった。オットーはこの手紙を書く時にはサンドラが婚約破棄されることを知っていたようだと。なぜならそう匂わす部分があった。

 「もし君が自由になったらか・・・漏れまくっていたわけなんだアルベルトが私を捨てることを」

 そうつぶやいたとき、カルメンが子爵令嬢から公爵令嬢に昇格したとの情報がもたらされた。そして、王都では粛清されるのを恐れて住民が逃げ出していることも伝えられた。

 「アルベルトって急ぎすぎだわ。婚約破棄して次は結婚なの? それにしてもカルメンが公爵令嬢なの? おかしいわね」

 王族の婚姻相手には条件があった。王国と同格もしくは相応の国の王族もしくは国内の伯爵以上の令嬢というものだ。ただ、公爵や伯爵に年齢などの理由で候補者がいない場合には嫡子という条件で下級貴族の子女が一旦養子にいく事で許される場合があった。それを満たすために父親が公爵になってしまった。

 「え、結婚式って一週間後なの? 本当に急ぎすぎるわね」

 次々ともたらされる情報にサンドラは呆れていた。でも大変な事に気付いた。なぜ、こんなに急ぐのだろうかと。こんなに急ぐというのは、きっと裏に何かがあるはずだと思った。
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