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婚約者に要らないとおもわれ追い出された!(サンドラ目線)

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 「お嬢様はカルメン様とお友達だったのですか?」

 セバスチャンは取り乱していたがサンドラは平然としていた。

 「そうよ! それと彼女が彼と肉体関係を持っていたことも知っていたわよ。こういう時は損よね女の子は。婚約に縛られて浮気も許されないというのにね。それに他の人が悪く言っているけどカルメンちゃんの事を私も好きだったわ。わかるかもね彼女が好きになるってことも」

 そういってサンドラはティーカップに口をつけた。

 「それはそうと、今回の事を奇貨としてお父様もお兄様もそれにあの人も動いているんでしょ? もう王国に忠誠を使う義務などないって状況を待っていたんでしょ!」

 サンドラは父と兄の事の立場を考えていた。もし、他の国と同じように国王の嫡子で唯一の女子の場合には国王に即位できたのであれば二人とも国王のはずだった。それが女系子孫というだけで排除されたのだから恨みを持っていたかもしれないと。

 「そのようです。すでに包囲網が敷かれています。それにたいして軍務尚書のダリウス公爵は軍備増強として多額の給与をばらまくようですが、無理でしょうね」

 「そう」

 サンドラはメイドにティーカップを下げさせると、あの人からの手紙を読んだ。それは婚約の申し込みであった。

 「捨てられた女に興味があるわけなんだ、あの人ったら。だからといって戦争しようとなんてね。いってはいけないかもしれないけど、男ってバカよね」

 その手紙の主は隣国の帝国の皇太子であった。
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